六訂版 家庭医学大全科 「乳汁の分泌」の解説
乳汁の分泌
にゅうじゅうのぶんぴつ
Lactation
(女性の病気と妊娠・出産)
妊娠すると、エストロゲン、プロゲステロン、副腎皮質ホルモン、プロラクチンなどのホルモンのはたらきにより、乳腺が発育します。とくに、プロラクチンは乳腺から乳汁を生成、分泌させる大切なホルモンで、妊娠中に増えますが、実際は分娩まで本格的な乳汁の分泌は生じません。その理由として、
分娩で胎盤が出されると、血中のエストロゲンとプロゲステロンは一気に低下し、乳汁の分泌が開始されます。分娩直後は、乳汁の分泌は一般に不十分ですが、2日目ころから
産褥5日目ころからは
母乳中に分泌される免疫グロブリンは、新生児の腸管で腸粘膜を保護し、免疫機能の未熟な新生児を感染から守ります。乳腺から乳管内に分泌された乳汁が乳頭から出されるためには、
また、授乳をして乳腺腔を空にするという機械的刺激も、乳汁の分泌を維持するためには大切です。
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報