日本歴史地名大系 「二岡神社」の解説 二岡神社にのおかじんじや 静岡県:御殿場市東田中村二岡神社[現在地名]御殿場市東田中 二ノ岡東田中(ひがしたなか)の東部、箱根(はこね)外輪山の山裾に鎮座する。祭神は天津彦彦火瓊瓊命・大雷神・木花開耶姫命・伊弉冊尊・正哉吾勝勝速日天忍穂耳尊・保食命・火産霊命の七神で、境内社八社(常盤神社・堅伊磐神社・水神社・八坂社・厳島神社・大歳神社・玉神社・矛神社)がある。旧郷社。明治一八年(一八八五)の神社明細帳(旧御殿場町役場文書)などによると、初め箱根山麓の七つの岡(一岡から七岡まで)に一神ずつ祭神を祀っていたが、のち当地(二岡)に社殿を建立して合せ祀ったといい、古くは二岡七所大権現、あるいは七社権現などとよばれた。室町時代には駿東地方の領主大森氏に崇敬され、境内には応永二九年(一四二二)四月五日に大森頼春(道光)が寄進した石灯籠が残る。中世には梵篋(ぼんきよう)寺(般若梵篋寺)が神宮寺で、同寺には聖天を祀る覚智(かくち)院や宝持(ほうじ)庵など五坊があったという。社地は乙女(おとめ)峠越の道(仙石原往還)の上り口にあたる交通の要衝を占め、中世には関が設けられたりしていた。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報