二期会(読み)にきかい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「二期会」の意味・わかりやすい解説

二期会
にきかい

日本の歌劇団。1952年(昭和27)東京音楽学校(東京芸術大学前身)声楽科出身の三宅(みやけ)春恵(1918―2005)、川崎静子(1919―1982)、柴田睦陸(しばたむつむ)(1913―1988)、中山悌一(ていいち)(1920―2009)を中心に結成。第二次世界大戦前のオペラ運動を第一期とするなら、戦後のわれわれは第二期を担うという自負のもと、「声楽家が相互協力して芸術家としての真実の道を歩み、向上せんとする同志的結合体である」と力説、「聴くに耐えるオペラを」とオペラのアカデミズムの確立を目ざした。総譜を根本に、スター主義に堕さず、アンサンブルを重視し、1952年2月の『ラ・ボエーム』を皮切りに、オペラ運動と歌曲・オラトリオなどの演奏活動を活発に開始した。1965年以降は有望な第二世代も育ち、演出・指揮にも若手が輩出、ワーグナー作品を手がけるまでに成長した。1977年には財団法人二期会オペラ振興会を設立、芸術路線のほかにオペレッタの大衆路線も敷き、地方を含むオペラ公演と、オペラ研修所による歌手の養成、合唱団の経営など、幅広い活動を展開している。

[寺崎裕則]

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百科事典マイペディア 「二期会」の意味・わかりやすい解説

二期会【にきかい】

オペラと声楽曲の研究・公演を目的に創設された日本の音楽団体。その名は,日本のオペラ・洋楽運動の第2期の創造への志を意味する。柴田睦陸(しばたむつむ),中山悌一ら東京音楽学校(現在の東京芸術大学)出身者を軸に1952年に結成され,《ラ・ボエーム》で旗揚げ。藤原歌劇団とともに,戦後のオペラ運動の中心を担っている。1977年,オペラに関する事業は財団法人二期会オペラ振興会に移行

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