ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「井植歳男」の意味・わかりやすい解説
井植歳男
いうえとしお
[没]1969.7.16. 大阪
経営者。家電メーカー・三洋電機の創業者。 1917年小学校高等科卒業後,義兄の松下幸之助が起した松下電気器具製作所に入社,以後松下の片腕となって働く。 35年株式に改組し松下電器産業となるとともに専務に就任。 GHQから旧松下電器の経営者は1人を残して退社すべしとの命令に従い,46年松下を退社し,翌 47年三洋電機製作所を設立する。携帯ランプ,自転車用発電ランプ,電器スタンドからの出発であった。 50年三洋電機に改組するとともに社長に就任。 53年電気洗濯機を当時としては破格の2万円台という安値で発売し,爆発的なヒットとなる。以後テレビ受像機,冷蔵庫,掃除機と家電製品全般を扱う総合家電メーカーに成長させていった。 64年にはカドニカ電池の生産を開始し,事業の柱の1本に成長させた。創業時から海外進出に積極的で,販売網のほか製造にも力を注いだ。 68年に社長を退任し会長に就任。財界でも「井植学校」と呼ばれる集りをつくるなど,活発な活躍ぶりをみせた。
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