人口オーナス(読み)ジンコウオーナス

デジタル大辞泉 「人口オーナス」の意味・読み・例文・類語

じんこう‐オーナス【人口オーナス】

《「オーナス(onus)」は重荷・負担の意》一国人口構成で、高齢人口が急増する一方生産年齢人口減少し、少子化で生産年齢人口補充はできず、財政経済成長の重荷となった状態。→人口ボーナス

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

知恵蔵 「人口オーナス」の解説

人口オーナス

人口構成の変化が経済にとってマイナスに作用する状態。オーナス(onus)とは、「重荷、負担」という意味。逆に、人口構成の変化がプラスに作用する状態を「人口ボーナス」という。少子高齢化の進む日本では、人口に占める働く人の割合低下しており、経済政策などを考えていく上で人口オーナスが重要なキーワードになっている。
人口オーナスは、従属人口比率を使って説明されることが多い。人口は、労働力の中核をなす生産年齢人口(15~64歳)とそれ以外の従属人口(14歳以下、65歳以上)とに区分され、生産年齢人口に当たる人々が働いて経済社会を支えると見なすことができる。人口オーナスは、従属人口比率が高まる局面、すなわち働く人よりも支えられる人が多くなる状況である。日本では、高齢者が多くない中で戦後のベビーブーム世代が生産年齢人口に入っていく1950~70年頃が人口ボーナス期に当たり、少子高齢化が顕著になってきた90年頃から人口オーナス期に入ったとされる。
人口オーナスによって生じる問題としては、労働力人口の減少や引退世代の増加に伴う貯蓄率の低下により長期的な成長力が低下したり、働く世代が引退世代を支える社会保障制度維持が困難になったりすることなどが指摘されている。

(原田英美  ライター / 2013年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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