任意債権(読み)ニンイサイケン

デジタル大辞泉 「任意債権」の意味・読み・例文・類語

にんい‐さいけん【任意債権】

本来特定給付目的とするが、他の給付をもってこれに代えることのできる債権

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精選版 日本国語大辞典 「任意債権」の意味・読み・例文・類語

にんい‐さいけん【任意債権】

  1. 〘 名詞 〙 本来はある一定の給付を目的とするが、他の給付をもって代えることができる債権。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「任意債権」の意味・わかりやすい解説

任意債権
にんいさいけん

本来は特定の給付を目的としているが、他の給付でこれにかえることのできる債権をいう。この場合に、本来の給付にかえて他の給付をなすことができる債務者権利を代用権という。たとえば、自動車一台を給付すべきだが、200万円を給付してもよいというような債権である。この債権は選択債権に類似しているが、一個の給付が本来の目的であり、他の給付は補充的であるにすぎない点で異なっている。したがって、本来の給付が原始的不能の場合には債権は成立せず、また、債務者の責によらない事由による後発的不能のときは、たとえ代用給付(前例でいう200万円の給付)が可能であっても、債権は消滅することとなる。なお、債権者は代用給付を請求する権利を有しない。

[竹内俊雄]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「任意債権」の意味・わかりやすい解説

任意債権
にんいさいけん
Schuld mit alternativer Ermächtigung

一定の給付に代えて他の給付による弁済の可能な債権。すなわち,代用給付をなしうる債権。たとえば,本来3万円の洋服を給付するところを,それに代えて3万円の現金を給付してもよいというような場合である。代用権 (補充権) は債務者にあり,債権者は代用給付を請求する権利をもたない。本来の給付が不能になっても,代用給付が債権の目的とはならない。債務者が代用権を行使する場合,債権者の承諾を必要としない点が,代物弁済その他予約と異なる。

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