選択債権(読み)せんたくさいけん(英語表記)Wahlschuld

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

選択債権
せんたくさいけん
Wahlschuld

数個の給付のうちから選択によって定まる1個の給付を目的とする債権 (民法 407) 。たとえば,甲馬もしくは乙馬を給付するというように,数個の給付のうち,それぞれの個性に着眼して選択給付されるものであるから,種類債権のようにどれでも一定量を選びさえすればよいというわけにはいかない。また数個の給付がそれぞれ対等である点で任意債権と異なる。選択権は原則としては債務者に属するが (407条) ,特約によって債権者または第三者に属させてもよい。当事者の一方が選択権を有する場合に,弁済期が到来し,相手方が相当の期間を定めて催告をするにもかかわらず選択をしないときは,選択権は相手方に移転する (408条) 。

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デジタル大辞泉の解説

せんたく‐さいけん【選択債権】

債権の目的が数個の給付の中からの選択によって定まる債権。例えば、3頭の馬のうちいずれか1頭を給付するという内容の債権。

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大辞林 第三版の解説

せんたくさいけん【選択債権】

債権の目的が数個の給付の中から選択権者の選択によって定められる債権。三頭の馬のいずれかを給付するという内容の債権がその例。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

選択債権
せんたくさいけん

テレビか自転車のどちらかを与えようというように、数個の給付のなかから選択によって定まる一個の給付を目的とする債権。債権の目的が成立のときにはまだ定まっていない点で種類債権に類似しているが、目的が種類によって限定されるのではなく、それぞれの個性が重視される数個の給付により限定されている点で区別される。選択債権は履行されるまでに給付が一つに決定されなければならず、これを選択債権の特定という。この特定は、選択権者の選択によって生ずるのが普通であるが、給付の不能によって生ずることもある(民法410条)。選択権者は債権者でも第三者でもよいが、特別の定めがなければ債務者が選択権をもつ(同法406条)。選択権の行使は、相手方に対する一方的意思表示で足り、相手方の承諾を要しない。第三者の選択権の行使は、債権者または債務者に対する意思表示である。選択権を有する当事者が、弁済期が到来し相手方が相当の期間を定めて催告しても選択しないときは、選択権は相手方に移転する(同法408条)。[竹内俊雄]

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