伊調馨(読み)いちょうかおり

知恵蔵「伊調馨」の解説

伊調馨

1984年6月13日生まれ、青森県八戸市出身の女子レスリング選手。明確な得意技があるわけではないが、組み手が上手く失点の少ない選手と評されている。2012年ロンドン・オリンピック日本代表。
兄(寿行、元レスリング選手で現在・綜合警備保障レスリング部コーチ)や千春の影響で3歳からレスリングを始め、八戸クラブ(青森県)から中京女子大学附属高校(愛知県、現至学館高等学校)を経て中京女子大学(愛知県、現至学館大学、名誉修士)卒業。綜合警備保障(ALSOK)所属(12年8月時点)。
当初は56キロ級の選手だったが、ライバル吉田沙保里選手との戦いに苦しい思いを続け、02年に63キロ級に転向した。その後は、ワールドカップ63キロ級03年~06年優勝(6回連続)、世界選手権63キロ級03年~07年優勝(7回連続)の戦績を残す。04年のアテネオリンピックでは、姉の千春(48キロ級)が銀メダルに終わったのに対し、金メダル獲得した。インタビューなどで「千春と一緒に取った金メダルです」と話す姉妹愛が話題になった。08年の北京オリンピックでも金メダルを獲得、姉の千春(48キロ級)も銀メダルを獲得して、2大会連続で姉妹ともにメダリストになった。08年秋、紫綬褒章受章。10年、11年の世界選手権でも優勝し、けがによる不戦敗を除けば、03年から12年8月現在まで、不負。
12年、ロンドンオリンピックでも、左足首の靱帯を痛めているにもかかわらず金メダルを獲得。オリンピック3大会連続金メダル獲得は、日本人女子で初めて。

(菘(すずな)あつこ  フリーランス・ライター / 2012年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「伊調馨」の解説

伊調馨
いちょうかおり

[生]1984.6.13. 青森,八戸
レスリング選手。3歳のときに姉の影響でレスリングを始め,中京女子大学附属高等学校,中京女子大学を経て,綜合警備保障に所属。初出場した 2002年世界選手権で優勝し,以降は女子フリースタイル 63kg級で無敗を誇った。2004年アテネ・オリンピック競技大会,2008年北京オリンピック競技大会,2012年ロンドン・オリンピック競技大会と 3大会連続で金メダルを獲得。高い技術力とディフェンス力に定評があり,2013年の世界選手権を全試合で無失点のテクニカルフォール勝ち(10―0)という離れ業で制した。2016年のリオデジャネイロ・オリンピック競技大会では 58kg級に変更し,決勝ロシアのワレリア・コブロワゾロボワを相手に大激戦を制し,オリンピック競技大会 4連覇を成し遂げた。夏季オリンピックの個人種目 4連覇は史上 5人目で,女子としては初。リオデジャネイロ大会での金メダルで,世界選手権大会と合わせて 14度の世界一に輝いた。これらの偉業をうけ,2016年に国民栄誉賞を授与された。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus「伊調馨」の解説

伊調馨 いちょう-かおり

1984- 平成時代の女子レスリング選手。
昭和59年6月13日生まれ。階級は63kg級,58kg級。3歳からレスリングをはじめ,中京女子大付属高から中京女子大にすすむ。平成14年,15年と世界選手権,全日本選手権を連覇。16年アテネ五輪に姉・伊調千春(48kg級銀メダル)とともに出場,金メダルを獲得した。19年世界選手権5連覇。20年北京五輪で2連覇。24年ロンドン五輪で3連覇,3個目の金メダルを獲得。同年菊池寛賞。27年世界選手権(58kg級)で10度目の優勝。ALSOK所属。青森県出身。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

デジタル大辞泉「伊調馨」の解説

いちょう‐かおり〔イテウかをり〕【伊調馨】

[1984〜 ]レスリング選手。青森の生まれ。平成16年(2004)アテネオリンピックで金メダルを獲得。以後、北京・ロンドン・リオデジャネイロと、オリンピックで女子の個人種目において世界初となる4連覇を達成した。国民栄誉賞受賞。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

今日のキーワード

漁夫の利

《シギとハマグリが争っているのを利用して、漁夫が両方ともつかまえたという「戦国策」燕策の故事から》両者が争っているのにつけ込んで、第三者が利益を横取りすることのたとえ。...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android