休猟区(読み)キュウリョウク

日本大百科全書(ニッポニカ) 「休猟区」の意味・わかりやすい解説

休猟区
きゅうりょうく

狩猟を休止させている区域。「鳥獣保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」によって設定された鳥獣保護区域の一種で、一定地域における狩猟鳥獣が減少した場合、その増殖を図るために、都道府県知事が3年以内の期間で設定する。規模は1か所当り1500ヘクタール以上。3年という期間の根拠は、地形に著しい変化が加えられず、かつ人為的捕獲を中止した場合、狩猟鳥獣は通常2~3年で回復を示すためである。休猟区は、期間が満了すれば開放して、一般狩猟場もしくは猟区(有料狩猟場)にし、その隣接地を休猟区にするという巡回方式にすることが多い。特別の許可なく休猟区で鳥獣を捕獲した者は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられる。

[白井邦彦]

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百科事典マイペディア 「休猟区」の意味・わかりやすい解説

休猟区【きゅうりょうく】

一定の地域の狩猟鳥獣が減少し,その増加を図る必要があると認められる場合,〈鳥獣保護法〉に基づき,3年以内の期限を限り,都道府県知事が指定する鳥獣捕獲の禁止区域。違反者には,1年以下の懲役または20万円以下の罰金。→鳥獣保護区

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世界大百科事典(旧版)内の休猟区の言及

【鳥獣保護区】より

…そのため,鳥獣の保護・増殖を目的とするといいながらも徹底した処置とはいえない。なお,鳥獣保護区に関連して休猟区がある。これは3ヵ年以内の期間を限って指定の区域内での鳥獣の捕獲を禁止し,鳥獣の増殖をはかるため設定されるものだが,狩猟を対象とした処置である。…

※「休猟区」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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