伝う(読み)ツタウ

デジタル大辞泉 「伝う」の意味・読み・例文・類語

つた・う〔つたふ〕【伝う】

[動ワ五(ハ四)]物に沿って移動する。連続してある物などを手がかりにして進む。「涙が頰を―・う」「手すりを―・って階段を上る」「案内矢印を―・って行く」
[可能]つたえる
[動ハ下二]つたえる」の文語形
[類語]流れる滴るこぼれる零れ落ちる垂らす垂れる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「伝う」の意味・読み・例文・類語

つた・うつたふ【伝】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 ワ行五(ハ四) 〙 ( 動詞「つつ(伝)」と同語源 ) ある物から離れないようにして、その物に沿って移動する。
    1. (イ) 点在するものに従って次々と移動する。つたわる。
      1. [初出の実例]「春されば妻を求むと鶯の木末(こぬれ)を伝(つたひ)鳴きつつもとな」(出典万葉集(8C後)一〇・一八二六)
      2. 「岩の間をつたったりして、漸く峠を越えることが出来た」(出典:夜明け前(1932‐35)〈島崎藤村〉第一部)
    2. (ロ) 連続するものに従って沿って移動する。物について動く。つたわる。
      1. [初出の実例]「浜つ千鳥 浜よは行かず 磯豆多布(ヅタフ)」(出典:古事記(712)中・歌謡)
      2. 「小走りに廊下を伝(ツタ)ふ足音がする」(出典:虞美人草(1907)〈夏目漱石〉二)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 ハ行下二段活用 〙つたえる(伝)

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