デジタル大辞泉 「零れ落ちる」の意味・読み・例文・類語 こぼれ‐お・ちる【▽零れ落ちる】 [動タ上一][文]こぼれお・つ[タ上二]1 容器などからあふれて落ちる。漏れ出て落ちる。「地面に―・ちた米を鳥がついばむ」「とめどもなく涙が―・ちる」2 散って落ちる。「桜の花びらが―・ちる」3 脱け落ちる。「リストから―・ちる」4 感情などが、心におさめきれなくて思わず表に現れてしまう。「笑みが―・ちる」5 今までの主従関係を離れる。「天下の武士みな―・ちて付き順したがひ参らせんずらん」〈太平記・三七〉[類語]流れる・滴る・零こぼれる・伝う・垂れる・落ちる・落ち込む・陥る・落っこちる・下がる・沈む・下降する・降下する・沈下する・低下する・低落する・下落する・落下する・落馬する・落輪する・脱輪する・墜落する・失墜する・滑落する・転落する・崩落する・滑り落ちる・転げ落ちる・崩れ落ちる 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例 Sponserd by
精選版 日本国語大辞典 「零れ落ちる」の意味・読み・例文・類語 こぼれ‐お・ちる【零落】 〘 自動詞 タ行上一 〙 [ 文語形 ]こぼれお・つ 〘 自動詞 タ行上二段活用 〙① 水、涙などがあふれて落ちる。流れ落ちる。[初出の実例]「その石の上に走りかかる水は、小柑子・栗の大きさにてこぼれおつ」(出典:伊勢物語(10C前)八七)② 物があふれて落ちる。はみ出て落ちる。[初出の実例]「積んでいるトラックからこぼれ落ちるのもあるだろう」(出典:二人の友(1960)〈庄野潤三〉四)③ 花や葉などが散って落ちる。散乱する。[初出の実例]「風のいとさわがしく吹きて、黄なる葉どもの、ほろほろとこぼれおつる、いとあはれなり」(出典:枕草子(10C終)一九九)④ 表情や態度などにあふれて出る。外に現われる。[初出の実例]「裾まで愛敬のこぼれおちたるやうに見ゆる、御もてなしなども」(出典:源氏物語(1001‐14頃)竹河)⑤ 今までの主従関係を離れる。[初出の実例]「今度京の敵を追ひ落とす程ならば、元弘の如く、天下の武士皆こぼれ落て、附き順ひ進らせんずらん」(出典:太平記(14C後)三七) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例 Sponserd by