伴う(読み)トモナウ

デジタル大辞泉 「伴う」の意味・読み・例文・類語

とも‐な・う〔‐なふ〕【伴う】

《「なう」は接尾語
[動ワ五(ハ四)]

㋐一緒に行く。ついていく。「父の出張に―・って外国へ行く」
㋑ある物事に付随して別の物事が起こる。「科学技術進歩に―・って生活が簡略化する」「危険が―・う冬山
㋒釣り合いがとれる。「収入に―・った生活」

㋐一緒に連れていく。引き連れる。「妹を―・って外出する」
㋑ある物事が同時に別の物事を併せ持つ。「困難を―・う仕事」
[動ハ下二]連れていく。
「島つ鳥鵜養うかひ―・へかがりさしなづさひ行けば」〈・四一五六〉
[類語]引き連れる率いる従える連れる連れ立つ引っ張る召し連れる連れ込む連れ出す連れ戻す引率する

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「伴う」の意味・読み・例文・類語

とも‐な・う‥なふ【伴】

  1. ( 「なう」は接尾語 )
  2. [ 1 ] 〘 自動詞 ワ行五(ハ四) 〙
    1. いっしょに行く。連れになる。つき従う。付随する。つれだつ。
      1. [初出の実例]「其の操を聞けば、則ち盗賊に伴(トモナヘ)り」(出典:将門記承徳三年点(1099))
      2. 「柴の庵は住み憂き事もあらましを友なふ月の影なかりせば」(出典:山家集(12C後)中)
    2. ある事と同時に他の事が存在する。また、ある事に付随して他の事が生じる。
      1. [初出の実例]「此景色が景色としてのみ、余が心を楽ませつつあるから苦労も心配も伴はぬのだらう」(出典:草枕(1906)〈夏目漱石〉一)
    3. つりあいがとれる。「収入に伴った生活」
  3. [ 2 ] 〘 他動詞 ワ行五(ハ四) 〙
    1. 引き連れて行く。付き添わせる。
      1. [初出の実例]「人にもいざなはれず、人をも止毛奈(トモナハ)ずして」(出典:続日本紀‐天平神護元年(765)三月五日・宣命)
    2. ある事に付随して他の事を同時に生じさせる。あわせ持つ。
      1. [初出の実例]「その作中の人物が、行住坐臥造次顛沛、何に就けても性欲的写象を伴ふのを見て」(出典:ヰタ・セクスアリス(1909)〈森鴎外〉)
  4. [ 3 ] 〘 他動詞 ハ行下二段活用 〙 連れて行く。
    1. [初出の実例]「島つ鳥 鵜飼(うかひ)等母奈倍(トモナヘ) 篝さし なづさひ行けば」(出典:万葉集(8C後)一九・四一五六)

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