佐夜の中山(読み)さやのなかやま

精選版 日本国語大辞典 「佐夜の中山」の意味・読み・例文・類語

さや‐の‐なかやま【佐夜中山・小夜中山】

  1. 静岡県掛川市東端の峠。平安時代から東海道難所一つとして知られた。五十三次では金谷日坂(にっさか)の間にある。標高二五〇メートル。歌枕。さよのなかやま。
    1. [初出の実例]「あづまぢのさやのなか山中々になにしか人を思ひそめけん〈紀友則〉」(出典:古今和歌集(905‐914)恋二・五九四)

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百科事典マイペディア 「佐夜の中山」の意味・わかりやすい解説

佐夜ノ中山【さよのなかやま】

小夜ノ中山とも。古くは〈さやの中山〉とも。東海道の宿場町日坂(にっさか)(静岡県掛川市)から東の金谷宿(静岡県島田市)の菊川に至る急坂。賊に殺された妊婦の霊がのりうつって泣くという夜泣石の伝説や西行の歌で知られる。1335年の中先代の乱では北条軍と足利軍の激戦があった。子育観音,妊婦塚があり,旧東海道面影を残す。現在の東海道(国道1号)は北の谷を通る。
→関連項目掛川[市]月見

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