佐川町(読み)さかわちよう

日本歴史地名大系 「佐川町」の解説

佐川町
さかわちよう

面積:一〇四・三九平方キロ

高岡郡東北部佐川盆地を中心とし、東は日高ひだか村・土佐市、北から西にかけては越知おち町、西南葉山はやま村、南は須崎市に接する。町の中央部を仁淀によど川の支流柳瀬やなぜ川が北流し、流域に小平地を形成。近世、伊予松山まつやまへ出る松山街道が加茂かもから庄田しようだにかけて通っていたが、現在ではその南の国道三三号が松山市への主要道となっている。また国鉄土讃本線が通り、町内に五駅がある。佐川駅付近は土佐藩筆頭家老深尾氏の土居下町として栄え、現在は桜の名所、日本地質学発祥の地として知られ、維新資料を集めた青山せいざん文庫などがある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「佐川町」の意味・わかりやすい解説

佐川〔町〕
さかわ

高知県中部,高知平野の西方にある町。 1900年町制。 54年斗賀野,黒岩尾川の3村と合体。 55年加茂村の一部編入仁淀川の支流柳瀬川沿いにあり,小盆地をなす。近世,土佐藩家老深尾氏の小城下町として発達。6代重澄によって郷校名教館が創設され,のちに幕末志士を多く輩出した。県内最古の図書館で郷土文化館でもある青山 (せいざん) 文庫がある。周辺の地層は複雑で,地質学研究史上有名。史跡不動ガ岩屋洞窟がある。植物学者牧野富太郎の出身地。佐川,斗賀野は良質の米を産し,酒の醸造が行われる。大平山は石灰石産出,斗賀野はその積出駅。 JR土讃線,国道 33号線,494号線が通る。面積 100.80km2。人口 1万2323(2020)。

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