なん‐じょう ‥でふ【何じょう】
[1] 〘
連体〙 (「なんという」の変化したもの。「何条」と
漢字をあてることもある)
実体の不明なもの、または問題とするに及ばないものをさす。どうという。なんという名の。
※竹取(9C末‐10C初)「なんでうここちすればかく物をおもひたるさまにて月を見給ぞ」
[2] 〘副〙
① 事の状況、特に相手の意見・
態度に対する強い疑問、または
反発の
気持を表わす。どうして(…するのか)。また、
反語的にも用いる。どうして(…するだろうか)。
※竹取(9C末‐10C初)「
かぐや姫のいはく、なんでうさることかし侍らんと言へば」
② いろいろな
手段を尽くして事を行なう気持を表わす。また、
断定や
決意の表現に用いる。なんとかして(必ず)。なんとしても。どうしても。
※高野本平家(13C前)一「なんてう其儀あるまじ。
祇王とうとう罷出よ」
[3] 〘感動〙 相手の
発言を否定しさえぎることば。とんでもない、それは違う。何を言うか。
※平松家本平家(13C前)一「
仏御前こそ参りて候へ、と申ければ、入道相国、何条、
左様の
遊者は人の召に随てこそ参れ、左右無推参する様や有る」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
デジタル大辞泉
「何じょう」の意味・読み・例文・類語
なん‐じょう〔‐でふ〕【何じょう】
《「なんという」の音変化》
[副]反語を表す。どうして…か。なんで…か。
「―かかる事にひるむべき」〈河上肇・貧乏物語〉
[連体]
1 どういう。何という。
「―心地すれば、かく物を思ひたるさまにて、月を見給ふぞ」〈竹取〉
2 (反語を表す語を伴って)どうという。どれほどの。たいした。
「―事か候はん」〈今昔・二六・一四〉
[感]なにを言うか。とんでもない。
「―、汝がなにほどの恩を見せけるぞや」〈仮・伊曽保・中〉
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