供御院(読み)クゴイン

デジタル大辞泉 「供御院」の意味・読み・例文・類語

くご‐いん〔‐ヰン〕【供御院】

平安時代宮内省大炊寮おおいりょうに属し、畿内料地から収納した供御稲穀を取り扱った役所

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精選版 日本国語大辞典 「供御院」の意味・読み・例文・類語

ぐご‐いん‥ヰン【供御院】

  1. 〘 名詞 〙 中古、宮内省大炊寮(おおいりょう)に属し、畿内の料地から収納した稲穀を取り扱った役所。供御および中宮東宮御料にした。〔西宮記(969頃)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「供御院」の意味・わかりやすい解説

供御院 (くごいん)

大炊(おおい)寮の中に置かれた倉院。畿内官田の稲を納め,これを天皇・中宮・東宮の飯料に充てた。《西宮記》には,史生(ししよう)をもって預(あずかり)としたとあるが,1002年(長保4)官人代磯部広信が物部光保に代わって預職に補任されて以来(《朝野群載》),磯部氏の世襲となる。延久の新政以後,大炊寮の下に御稲田(みいねだ)が設定され,御稲田供御人が成立すると,磯部氏も供御院預職として,河内国石河東条郡ならびに佐備の御稲田,山城国栗御園などを,代々相伝するようになった。鎌倉後期,預職には磯部氏の中で道理を帯した人が補任されることになっており,大炊寮の寮家任符を与えられたのち,寮家挙状によって正式の宣旨が下るという手続で補任された。大炊頭を世襲した中原氏は,この補任権を手がかりに,預職とその所領を押さえようとし,鎌倉末期,磯部氏との間に相論がおこっているが,この中原氏の試みは,ここでは失敗している(《綸旨抄》)。
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