御料(読み)ゴリョウ

デジタル大辞泉 「御料」の意味・読み・例文・類語

ご‐りょう〔‐レウ〕【御料】

天皇貴人が使用する物。衣服器物飲食物など。
御料地」「御料所」の略。
御料人」の略。→御寮人ごりょうにん
寺社供物
天皇・院に関する「ため」の意の尊称
初めの日は先帝の―、次の日は母后ははきさきの御ため」〈賢木

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精選版 日本国語大辞典 「御料」の意味・読み・例文・類語

ご‐りょう‥レウ【御料】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「ご」は接頭語 )
  2. 天皇や貴顕の人が所有、または、使用するもの。主として、衣服、飲食物、器物などについていう。
    1. [初出の実例]「女の御れうに、うちぎ一かさね、はかま、こうちぎ〈略〉袋に入れて持たせて」(出典:宇津保物語(970‐999頃)俊蔭)
  3. 天皇、貴顕の人、あるいは寺社に付属する所領をいう。
    1. [初出の実例]「伊賀国司解 申撿定東大寺田并地事〈略〉十五町九段廿九歩 不空羂索菩薩御料」(出典:東南院文書‐天平神護二年(766)一二月五日・伊賀国司解)
  4. 寺社の供物(くもつ)を敬っていう語。
    1. [初出の実例]「先づ其達(そこたち)の御(ごれう)に墓无(はかな)き当飯をだに否不参せぬにて押し量り給へ」(出典:今昔物語集(1120頃か)二八)
  5. ごりょうしょ(御料所)」の略。
    1. [初出の実例]「御料すべて四百万石、歳々に納めらるる所の金は凡(およ)そ七十六七万両余」(出典:随筆・折たく柴の記(1716頃)中)
  6. ごりょう(御寮)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「御料」の意味・わかりやすい解説

御料
ごりょう

大日本帝国憲法下での皇室財産。そのうち特に御料所のみを御料と呼んだこともある。世伝御料と普通御料に分れ,前者は不融通物である。民法商法および付属法令は,皇室典範および皇室令別段の定めがないときに限り,御料に準用された。

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世界大百科事典(旧版)内の御料の言及

【幕藩体制】より

…こうして,公儀,身分制,鎖国,賤民制は連動してほぼ同じ時期に成立した。
[支配機構]
 幕藩体制の下では,一部の寺社・朝廷領を別とすれば全国の土地,人民は御料,私領に区分された。御料は幕府直轄領(天領)であり,佐渡,足尾,石見などの主要鉱山や,大坂,京都,江戸,長崎などの主要都市もその中に含まれていた。…

※「御料」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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