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価値の社会学 かちのしゃかいがくsociology of values

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

価値の社会学
かちのしゃかいがく
sociology of values

社会的,文化的な価値の構造を明らかにし,人間の行為や社会に対する機能を解明しようとする学問領域であるが,まだ確立された理論体系は存在しない。しかしそのなかでも体系化,総合化の最も進んでいるのは T.パーソンズの行為理論である。彼は行為の体系の下位体系を,行動有機体,パーソナリティ体系,社会体系,文化体系に区分する。独自の境界をもつシンボルの体系として文化体系 (価値体系はそのなかの一要素) をとらえる視角には,価値の外在性を説いた G.ジンメル,集合意識としての価値判断を指摘した É.デュルケム,社会過程における役割期待を通しての規範の内面化という視角に立つ W.I.トマスの「状況の定義づけ」理論,G.H.ミードの「重要な他者」理論,パーソナリティ体系における動機指向と価値指向の統合という視角に立つ M.ウェーバーの目的合理的行為ならびに価値合理的行為の概念など,価値体系の機能に関する従来の諸学説が照応し,また摂取されている。この行為理論に最も欠けているといわれるのが,価値変動=社会変動の理論である。この分野は価値の社会学のなかで最も手薄な領域であるが,これに関して社会学者がよく注目するのは集合行動の現象である。そこでは日常的な規範の解体→新しい理念・象徴の創出→その日常化という過程が進行する。 N.J.スメルサーの集合行動の研究が有名である。

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