健やか親子21(読み)すこやかおやこ21/すこやかおやこにじゅういち

知恵蔵 「健やか親子21」の解説

健やか親子21

21世紀の母子保健の取り組みの方向性目標指標を定め、関係機関・団体一体となって取り組む国民運動。2005年度は10年計画の中間年であり、これまでの状況を評価し必要な見直しが行われた。「健やか親子21」では4つの主要課題と61の指標(数値目標)が設定されている。各指標の達成状況と、関係者の取り組み状況の評価が行われた。結果は、良くなっている指標は41(70.7%)、悪くなっているまたは変わらない指標13(22.4%)、目標値からかけ離れている指標4(6.9%)であり、それぞれ適切な対策や取り組みの推進、あるいは必要な見直しが行われた。課題ごとの重点取り組みを一部抜粋すると、妊娠出産関連では、(1)周産期ネットワークの充実、(2)産婦人科医の地域偏在、助産師の施設間偏在の是正、(3)妊娠・出産に関する真の満足度向上への支援、(4)不妊への支援は施設整備から質の向上へ向けた取り組みへ転換、とされ、小児保健医療関連では、(1)小児の不慮の事故死亡率は改善傾向にあるが、なお死因の1位であり、取り組みを推進、(2)病児支援の環境整備を推進、(3)低出生体重児は増加傾向にあり、食育や妊婦の喫煙対策などの対策強化、などとされている。

(中村敬 大正大学人間学部人間福祉学科教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報