助産師(読み)ジョサンシ

デジタル大辞泉 「助産師」の意味・読み・例文・類語

じょさん‐し【助産師】

出産を助け、妊産婦新生児保健指導を行う専門職。助産師国家試験及び看護師国家試験に合格し、厚生労働大臣免許を受けた女性が行う。助産婦産婆さんば
[類語]助産婦産婆

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共同通信ニュース用語解説 「助産師」の解説

助産師

お産の介助や、妊産婦と新生児の保健指導に当たる女性限定の専門職。看護師と助産師の国家試験に合格し、厚生労働相から免許を受けることが必要で、助産院を開業できる。厚労省によると、2018年末時点で就業する助産師は約3万7千人。かつては自宅や助産院で多くの出産を担ったが、近年は病院で産む女性が増加。18年末時点で、病院や診療所に勤務する助産師は全体の8割超に上った。

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精選版 日本国語大辞典 「助産師」の意味・読み・例文・類語

じょさん‐し【助産師】

  1. 〘 名詞 〙 厚生労働大臣の免許を受けて、助産や妊婦褥婦(じょくふ)・新生児の保健指導を行なう専門職。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「助産師」の意味・わかりやすい解説

助産師
じょさんし

厚生労働大臣の免許を受けて助産または妊婦・褥婦(じょくふ)もしくは新生児の保健指導を行うことを業とする女性をいう(保健師助産師看護師法における定義)。

 助産師になるためには、看護師国家試験に合格するかまたは看護師国家試験受験資格を有し、さらに助産師養成機関(法律は6か月、実際には1年の修業年限)を卒業し、助産師国家試験に合格しなければならない。ほとんどが看護師教育の上に積み上げる形で教育が行われているが、いくつかの看護大学では看護師と助産師のカリキュラムを統合して教育しており、卒業と同時に看護師および助産師の国家試験の受験資格が与えられる。

 助産師は、日本の看護職のなかでいちばん早く独立した職業であり、江戸時代の「取り上げ婆(ばば)」が1874年(明治7)の医制で「産婆」と名づけられ、99年に制定された産婆規則によって全国的に身分資格の統一がなされた。これが1947年(昭和22)助産婦規則と改まり、翌48年に看護婦規則や保健婦規則とともに保健婦助産婦看護婦法に統一され、さらに2001年(平成13)に保健師助産師看護師法となったのである。

 助産師は長い間、産婆として独立開業し、自宅分娩(ぶんべん)の際の介助にあたり地域の人々に親しまれてきたが、昭和30年代以降は自宅分娩が減少してきたので、開業助産師も激減し、かつ高齢化してきている。しかし1990年代中ごろから、出産は病気ではないと考える母親たちが少しずつ増加し、自宅分娩、あるいは助産所における分娩を希望し始めているので、若い開業助産師が皆無になったわけではない。また、1993年の保健士制定に伴い、「助産士」として男性にも助産業務をという動きが出ていたが、その背景には、雇用分野における男女の機会均等、94年の看護婦(士)国家試験から全問男女同一となったことなどがあげられる。

 2000年5月、国会でも助産士誕生の提案がなされ、マスコミでもその賛否について論争されたが時期尚早として実現せず、2001年の法改正でも助産師は女性の業とされた。しかしこの論議は終結ではなく、参議院と衆議院の厚生労働委員会において附帯決議が可決されたが、その後目だった動きはない。2001年の附帯決議の内容は、「政府は、次の事項について適切な措置を講ずるべきである」とし、以下のような項目をあげている。

(1)出産に関するケアを受ける者の意向が尊重され、それぞれの者にあったサービスの提供が行われるよう、情報提供の促進を含め必要な環境の整備に努めること。

(2)助産師教育については、学校養成所指定規則に定める十分な出産介助実習が経験できるようにするなど、その充実に努めること。

(3)保健師、助産師、看護師等の看護職員については、その職責と社会的使命の重大さにかんがみ、それぞれの職種が果たしている機能の充実強化に向けて、教育環境の改善、人員増等の施策を講ずること。

[山根信子]

『大林道子著『助産婦の戦後』(1989・勁草書房)』『佐藤香代著『日本助産婦史研究――その意義と課題』(1997・東銀座出版社)』『大林道子著『出産と助産婦の展望――男性助産婦問題への提言』(2001・メディカ出版)』『看護行政研究会監修『看護六法』平成15年版(2003・新日本法規出版)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「助産師」の意味・わかりやすい解説

助産師
じょさんし
midwife

正常な分娩の介助や,正常な妊産婦,新生児の保健指導や育児指導などを行なうことを業とする人。妊婦,産婦,褥婦,胎児,新生児になんらかの異常がみられるとき,助産師は応急手当ての場合を除き,医師の治療を受けさせなくてはならない。職業としては江戸時代からあったが,制度化されたのは 1899年で,1948年の保健婦助産婦看護婦法の制定に伴って「助産婦」とされるまでは「産婆」と呼ばれていた。 2001年に保健婦助産婦看護婦法が保健師助産師看護師法へと改正されたのに伴い,「助産師」へと名称が変更された。助産師になるには,看護師免許を取得してから助産師国家試験に合格する,文部科学大臣の指定する学校で6ヵ月以上教育を受ける,または厚生労働大臣の指定する養成所を卒業してから助産師国家試験に合格し,厚生労働大臣の免許を受けなければならない。看護師,准看護師保健師と異なり,受験資格は女性にかぎられている。

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妊娠・子育て用語辞典 「助産師」の解説

じょさんし【助産師】

妊娠・出産・産褥、さらに赤ちゃんのケア、子育て支援など、女性とパートナーシップをもって、その一生の性と生殖に関わる健康問題を中心に、ケアや保健指導を行ないます。法律に基づく資格をもった専門家です。ちなみに英語ではMidwife。中には男性助産師がいる国もあります。

出典 母子衛生研究会「赤ちゃん&子育てインフォ」指導/妊娠編:中林正雄(母子愛育会総合母子保健センター所長)、子育て編:渡辺博(帝京大学医学部附属溝口病院小児科科長)妊娠・子育て用語辞典について 情報

栄養・生化学辞典 「助産師」の解説

助産師

 →助産婦

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