健全なる精神は健全なる身体に宿る(読み)ケンゼンナルセイシンハケンゼンナルシンタイニヤドル

デジタル大辞泉 の解説

健全けんぜんなる精神せいしん健全けんぜんなる身体しんたい宿やど

ユウェナリスの「風刺詩集」から》身体が健康であれば、おのずから精神も健全である。
[補説]詩の一部が訳されて広まった言葉本来は「大欲を抱かず、健康な身体に健全な精神が宿るように望むべきだ」の意。

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精選版 日本国語大辞典 の解説

けんぜん【健全】 なる 精神(せいしん)は健全(けんぜん)なる=身体(しんたい)[=肉体(にくたい)]に宿(やど)

(ローマの詩人ユウェナリス(Juvenalis)の風刺詩集から) からだが健康であれば、精神もそれに伴って健康であるの意。詩句文脈の中では「人は、神に対して『健全なる身体に宿った健全なる精神』(Mens sana in corpore sano)が与えられるよう祈るべきだ」の意である。

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ことわざを知る辞典 の解説

健全なる精神は健全なる身体に宿る

からだが健康であれば、精神もそれに伴って健康である。

[使用例] 健全な肉体に健全な精神が宿るという諺があるけれど、あれには、ギリシャ原文では、健全な肉体に健全な精神が宿ったならば! という願望と歎息の意味が含まれているのだそうだ[太宰治正義微笑|1942]

[解説] 古代ローマの詩人ユウェナリスの風刺詩集の一節に由来する西洋格言。ユウェナリスの詩句の文脈は「人は、神に対して「健全なる身体に健全なる精神」が与えられるように祈るべきだ」ということでした。しかし、「…ように祈るべきだ」という部分が省略された形で流布し、格言となったため、原詩の意味とは隔たりが生じ、肉体的健康を絶対視するものとして反論や批判の対象とされることにもなりました。日本語訳が誤訳として批判される場合もありますが、それ以前にラテン語で格言として使われる段階で、誤解される下地が生じていたものと思われます。

〔ラテン〕Mens sana in corpore sano.

英語〕A sound mind in a sound body.

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