傾瀉(読み)ケイシャ

デジタル大辞泉 「傾瀉」の意味・読み・例文・類語

けい‐しゃ【傾×瀉】

[名](スル)
傾けてそそぐこと。
化学で、溶液中から沈殿物を分離するため、容器を傾けて上澄み液だけを流し出す操作デカンテーション

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精選版 日本国語大辞典 「傾瀉」の意味・読み・例文・類語

けい‐しゃ【傾瀉】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 傾けて注ぐこと。傾注
    1. [初出の実例]「紫錦紋随動、黄金色及満盈生」(出典:玩鴎先生詠物雑体百首(1794)石決明盃応三宅外卿需)
    2. [その他の文献]〔蘇軾‐和王鞏詩〕
  3. 一つの事に心を向けること。一心不乱になること。
  4. 化学で、沈殿物を沈ませて上の澄んだ液を流し去る操作をいう語。傾瀉法。デカンテーション。〔稿本化学語彙(1900)〕

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普及版 字通 「傾瀉」の読み・字形・画数・意味

【傾瀉】けいしや

かたむけ注ぐ。宋・轍〔寒食、二首、一〕詩 、今年、汝南に客となる 餘傾け瀉(そそ)ぎて、亦た(くんかん)す(酔いしれる)

字通「傾」の項目を見る

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「傾瀉」の意味・わかりやすい解説

傾瀉
けいしゃ
decantation

デカンテーションともいう。沈殿のろ別洗浄法の1つ。溶液中の沈殿を静置して沈ませ,上澄み液だけを流し出す操作。大量の沈殿あるいは水酸化アルミニウム水酸化第二鉄などのように,こしにくい沈殿を母液から分離するのに用いられる。傾瀉により上澄み液をできるだけ多く流し出し,新たに溶媒を加えよくかき混ぜ,再び静置して沈殿を沈ませ,同様の操作を繰返すことにより洗浄の効果をあげることができる。傾瀉の代りサイホンを利用して上澄み液を取出すこともある。

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