傾(読み)ケイ

デジタル大辞泉 「傾」の意味・読み・例文・類語

けい【傾】[漢字項目]

[常用漢字] [音]ケイ(漢) [訓]かたむく かたむける かしげる
1 ななめになる。かたむく。「傾斜」
2 くつがえす。「傾国・傾覆」
3 一定の方向にかたよる。「傾向/右傾・左傾」
4 一つの所に思いや力を向ける。「傾注・傾聴・傾倒」
[難読]傾城けいせい

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「傾」の意味・読み・例文・類語

かた‐むき【傾】

  1. ( 動詞「かたむく」の連用形の名詞化 )
  2. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. ① 斜めになること。かしぐこと。また、その程度。傾斜。勾配(こうばい)。かたぶき。
      1. [初出の実例]「鏡の前でネクタイの傾きを直してゐる所だった」(出典:大津順吉(1912)〈志賀直哉〉四)
    2. ② 終わり方になること。衰えること。かたぶき。
    3. ③ 物事がある方向に進んでいく気配。とかくそうなりがちなさま。傾向。かたぶき。
      1. [初出の実例]「各々の撰挙区の利益を重んずる傾向(カタムキ)があるやうなわけで」(出典:社会百面相(1902)〈内田魯庵〉代議士)
    4. ④ 数学で、平面上の直線の、高さと水平距離の比の値をいう。勾配。数式 y=ax+b のaにあたる。〔数学ニ用ヰル辞ノ英和対訳字書(1889)〕
  3. [ 2 ] 〘 形容動詞ナリ活用 〙 物事がある一方に偏っているさま。
    1. [初出の実例]「秦斉は人の此は胡でさうほどに用られまいものをなんどと、かたむきに云にはよらぬぞ」(出典:史記抄(1477)一二)

かた‐ぶき【傾】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「かたぶく(傾)」の連用形の名詞化 )
  2. ① =かたむき(傾)[ 一 ]①
  3. ② =かたむき(傾)[ 一 ]②
    1. [初出の実例]「鳥とまる竹のほずゑのよよをへてただかたぶきになる我が身かな〈藤原為家〉」(出典:新撰六帖題和歌(1244頃)六)
  4. ③ =かたむき(傾)[ 一 ]③
    1. [初出の実例]「なかなかに読者をして、其陋劣なる事蹟をしも知るを嫌はしむる傾向(カタブキ)あればなり」(出典:小説神髄(1885‐86)〈坪内逍遙〉下)

けい【傾】

  1. 〘 名詞 〙 「けいせい(傾城)」の略。
    1. [初出の実例]「座敷の往還に煙草盆あって路を塞(ふさ)ぐ時は、立ながら足にて是をなをす事、客によらず傾(ケイ)によらす〈略〉おほかり」(出典:評判記・色道大鏡(1678)一八)

なだり【傾】

  1. 〘 名詞 〙 斜めに傾いていること。また、そのところ。傾斜。なだれ。
    1. [初出の実例]「鳥海山の傾斜(ナダリ)緩やかに曳きたればそのはてに在る海を考ふ」(出典:鷲(1940)〈川田順〉鳥海山)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「傾」の読み・字形・画数・意味

傾
常用漢字 13画

[字音] ケイ
[字訓] かたむく・あやうい

[説文解字]

[字形] 形声
声符は頃(けい)。頃は神霊の降下するのを迎えて、これに稽首する形。稽は金文にに作り、旨は詣の初文。その旨は甘旨の字とは別。稽首の姿勢を傾という。〔説文〕八上に「仄(そく)なり」と傾仄の意とし、傾危・危急の意となる。〔詩、大雅、〕「大命に傾く」とは、国勢の危急に陥ることをいう。

[訓義]
1. 身を傾ける。神に稽首する姿勢。
2. ひくめる、ふす、ななめ、したがう。
3. かたぶく、あやうい。
4. 一方が高く、一方がさがる。あがる、そばだつ。
5. きそう、やぶれる、おとろえる、ほろびる、つきる。

[古辞書の訓]
〔名義抄〕傾 カタブク・ウゴク・オツ・ヲシフ・コゾル・マジハル 〔字鏡集〕傾 ウゴカス・オツ・ウゴク・ウヤマフ・コゾル・ユルス・カマチ・ヲシフ・マジハル・カタブク

[語系]
頃・傾khiuengは同声。頃は傾の初文。匕(ひ)は右向きの人の形で、上より神霊の降下する象。頁(けつ)は礼容を整えてそれを拝する形。祝詞を奏して神霊を迎えることを詣・といい、金文に稽首を首に作る。稽・(〔説文〕はに作る)kieiは同声、拝する形。その相並んで霊の降下することを皆・傾・階keiという。みな関連のある語である。

[熟語]
傾倚▶・傾意▶・傾殞▶・傾雲▶・傾偃▶・傾下▶・傾家▶・傾回▶・傾蓋▶・傾▶・傾陥▶・傾危▶・傾葵▶・傾崎▶・傾欹▶・傾棄▶・傾毀▶・傾虧▶・傾羲▶・傾僵▶・傾襟▶・傾竭▶・傾月▶・傾険▶・傾壺▶・傾巧▶・傾向▶・傾国▶・傾刻▶・傾魂▶・傾志▶・傾貲▶・傾資▶・傾耳▶・傾膝▶・傾瀉▶・傾写▶・傾斜▶・傾邪▶・傾首▶・傾酒▶・傾銷▶・傾觴▶・傾城▶・傾昃▶・傾心▶・傾身▶・傾尽▶・傾逝▶・傾絶▶・傾羨▶・傾想▶・傾仄▶・傾▶・傾堕▶・傾▶・傾奪▶・傾脱▶・傾談▶・傾注▶・傾聴▶・傾墜▶・傾跌▶・傾▶・傾吐▶・傾頭▶・傾倒▶・傾動▶・傾頓▶・傾▶・傾佩▶・傾杯▶・傾排▶・傾敗▶・傾▶・傾▶・傾仆▶・傾風▶・傾覆▶・傾慕▶・傾望▶・傾▶・傾没▶・傾翻▶・傾盆▶・傾目▶・傾誘▶・傾容▶・傾揺▶・傾陽▶・傾落▶・傾乱▶・傾慄▶・傾淪▶・傾惑▶
[下接語]
倚傾・右傾・雲傾・欹傾・葵傾・玉傾・巧傾・左傾・斜傾・酒傾・心傾・神傾・側傾・半傾・靡傾

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

ノーベルがスウェーデンアカデミーに寄付した遺産を基金とする世界的な賞。1901年以降行われ、毎年、物理学・化学・生理学および医学・文学・平和・経済学の6部門において、顕著な功績のあった人に授与される。...

ノーベル賞の用語解説を読む