僧録司(読み)ソウロクシ

デジタル大辞泉 「僧録司」の意味・読み・例文・類語

そうろく‐し【僧録司】

僧録

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精選版 日本国語大辞典 「僧録司」の意味・読み・例文・類語

そうろく‐し【僧録司】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 中国寺院を取り締まる役所。明の洪武一五年(一三八二)にそれまでの僧録を改めたもの。
    1. [初出の実例]「明の国初には善世院を置て、釈教の事を掌る、その後洪武十五年に、改めて僧録司と云」(出典:制度通(1724)五)
    2. [その他の文献]〔明史‐職官志三・僧道録使〕
  3. そうろく(僧録)
    1. [初出の実例]「此像昔鹿苑相公迎諸尊宿於北山甲第、設斎各有賜、無求賜此像、僧祿司大岳作詩賀之、一時盛事也」(出典:翰林葫蘆集(1518頃)九・興宗明教禅師行状)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「僧録司」の意味・わかりやすい解説

僧録司
そうろくし

中国における仏教統制のための役所。僧録はすでに五胡十六国時代の後秦にみられる。宋になると僧録司がおかれ,僧尼籍帳および人事を司った。明代の僧録司は僧籍名簿の作成,度牒 (身分証明書) の給付,僧尼の戒行統制などを司ったが,中期になると僧官売買が著しくなったので,その機能が低下した。日本でも室町時代以降僧録司がおかれ,禅宗寺院を管轄して勢いをふるったこともあった。

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旺文社日本史事典 三訂版 「僧録司」の解説

僧録司
そうろくし

室町時代,禅宗寺院を管轄し,その人事をつかさどる機関
1379年,3代将軍足利義満が中国の制度にならって春屋妙葩 (しゆんおくみようは) を任じたのが始まり。'83年には相国寺内の鹿苑院に置かれた。

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世界大百科事典(旧版)内の僧録司の言及

【触頭】より

…幕府および各藩の寺社奉行の下で,本山および一般寺院の上申下達の仲介を行い,また一定の統制にあたった寺院をいう。室町幕府の僧録司(僧録)がその起源。戦国期には各大名が有力寺院を僧(総)録とか録所の名で呼び,領内寺院の統制にあたらせた。…

※「僧録司」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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