光核反応(読み)ヒカリカクハンノウ

デジタル大辞泉 「光核反応」の意味・読み・例文・類語

ひかり‐かくはんのう〔‐カクハンオウ〕【光核反応】

原子核γ線などの高エネルギーの光を照射した際、中性子(γ-n反応)、陽子(γ-p反応)、重陽子α粒子を放出して他の核種に変化する核反応

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化学辞典 第2版 「光核反応」の解説

光核反応
ヒカリカクハンノウ
photonuclear reaction

エネルギー光子(γ線,X線)によって引き起こされる原子核反応.原子核が光子を吸収して励起され,その励起状態に応じていろいろな核反応が起こる.光子エネルギーが低いとき,γ線を放出するだけで原子核がもとの基底状態に戻る(γ,γ′)反応が起こる.励起状態が十分高く,核内の核子結合エネルギーを超えると,核子が放出されて核変換が起こる.励起状態のエネルギーが20 MeV 付近で核全体の振動励起にあたる状態があるため,光子エネルギーがこの値の付近のときに共鳴吸収が起こって,光核反応の起こる確率(反応断面積)が最大となる.(γ,n),(γ,p),(γ,α)反応などがある.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「光核反応」の意味・わかりやすい解説

光核反応
ひかりかくはんのう
photonuclear reaction

光子 (γ線 ) が入射して起る核反応。このとき中性子,陽子,α粒子などが放出される。γ線のエネルギー 20MeV 前後で巨大共鳴が,また約 150MeV をこえるとπ中間子発生が起る。

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