陰陽道(おんみょうどう)における牛頭天王(ごずてんのう)の王子で四季の土用の行疫神。太歳(たいさい)、大将軍、太陰(たいおん)、歳刑(さいけい)、歳破(さいは)、歳殺(さいさつ)、黄幡(おうばん)、豹尾(ひょうび)の八神で、方位の吉凶をつかさどる。太歳神の方位はその年の十二支の方位で、他の七神の方位はそれによって決まる。太歳方は福のある最吉方でこれに向かっての移転普請は吉。この方位に向かっての訴訟・争論・伐木などは忌む。歳破は太歳の反対方位で、この方位に向け移転等は凶。歳殺は殺伐の気があり万事に忌まれる。大将軍は、俗に、三年塞(ふさ)がりといわれる凶神である。
[吉野裕子]
…外出するのにその方角が禁忌とされる場合,前日に他の方角へ赴いて泊まり,そこから目的の地にゆくものである。方忌の根拠としては生年の干支である本命から個人的に凶方を割り出し,これを避けるものと,天一神(中神(なかがみ)),太白神,金神,王相,八将神,土公神などの諸神が遊行する方角や鬼門を忌む人々に共通のものとがある。前者は865年(貞観7)8月21日に清和天皇が東宮より内裏に移ろうとしたとき,天皇の本命が庚午で,東宮より内裏の方向である乾は絶命に当たるゆえ避けらるべきことを陰陽寮が上奏し,このためいったん太政官曹司庁に入っており,これが初例とされている。…
…五行による四方と中央,八卦(はつか)による八方,十二支による十二方,八卦と十干の一部による二十四方が方位の基準である。八卦は,六朝時代の八将神では循環する方位となり,日本の陰陽道では牛頭(ごず)天王の八王子とされ,太歳(たいさい)神,大将軍,大陰(だいおん)神,歳刑(さいけい)神,歳破(さいは)神,歳殺(さいさつ)神,黄幡(おうばん)神,豹尾(ひようび)神をいい,この方位を神殺の凶方といって恐れた。金神(こんじん)も凶方で遊行するとされ,その方位への旅行や普請などを忌む。…
※「八将神」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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