公人朝夕人(読み)クニンチョウジャクニン

デジタル大辞泉 「公人朝夕人」の意味・読み・例文・類語

くにん‐ちょうじゃくにん〔‐テウジヤクニン〕【公人朝夕人】

室町幕府政所まんどころで、雑役に従事した下級職員。
江戸時代将軍束帯外出のときに尿筒しとづつを持って近侍した者。

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精選版 日本国語大辞典 「公人朝夕人」の意味・読み・例文・類語

くにんちょうじゃく‐にん クニンテウジャク‥【公人朝夕人】

〘名〙 江戸幕府職名一つ。将軍が束帯して出行する際、尿筒(しとづつ)を持って従った者。目付支配に属する。朝夕人公人朝夕
随筆・瀬田問答(1790頃)「公人朝夕人は、御目付支配にて」

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「公人朝夕人」の意味・わかりやすい解説

公人朝夕人
くにんちょうじゃくにん

略して朝夕人,朝夕などという。朝夕伺候,つまり常に伺候するところからこの名を生じた。室町幕府では,政所雑用をつとめる下級役人で,将軍参内の際に尿筒をもって随行するものをいった。江戸幕府では,目付支配下の賤職で,将軍が束帯で出行の際,尿筒をもって従うものをいい,土田氏の世職であった。

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世界大百科事典(旧版)内の公人朝夕人の言及

【朝夕】より

…朝夕の役目には,以上のような雑務のほかに,参内など将軍の外出に際して,将軍の車輿のそば近くに小用(尿)筒を持って参列するということがあった。江戸幕府も鎌倉・室町両幕府の故実にならって同様の役職を置いたが,その正式な名称を〈公人朝夕人〉という。公人朝夕人は同朋頭の支配に属し,土田氏一人のみの世襲の職となっていた。…

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