写真地質学(読み)シャシンチシツガク(英語表記)photogeology

デジタル大辞泉 「写真地質学」の意味・読み・例文・類語

しゃしん‐ちしつがく【写真地質学】

地質学の一分野。航空機ドローン人工衛星などで撮影した地表写真から、地質構造岩質などを調査分析する。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「写真地質学」の意味・わかりやすい解説

写真地質学
しゃしんちしつがく
photogeology

地質学の一分野。水系稜線(りょうせん)などの地形植生、地表付近の帯水の程度などは、いずれも地表付近の地質に支配されている場合が多い。これらがしばしば航空機から撮影した空中写真(航空写真)上に表現されることを利用して、さまざまな地質学的情報を収集、判読、評価する分野が写真地質学である。

 空中写真を立体視することにより、地層の走向・傾斜、岩体の境界断層褶曲(しゅうきょく)などの地質構造に関する情報を読み取ることができる。とくに活断層調査など、変位地形を判読する場合や、地すべりなど斜面崩壊を判読する場合に有効である。空中写真だけでなく、人工衛星から撮影した画像を解析するリモート・センシングの手法も、広い意味では写真地質学に含めることができる。

[伊藤谷生・村田明広]

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世界大百科事典(旧版)内の写真地質学の言及

【構造地形】より

… 組織地形は,岩石の差異(堆積岩,火成岩,変成岩の差やそれぞれの化学的組成や組織の差を含む)や広い意味での地質構造(水平層か,断層や褶曲による変位・変形した地層か,断層・節理・層理などの構造の有無や密度のちがい)などにより形成され,ある意味ではすべての浸食地形が組織地形であるともいえる。谷や斜面の形のちがい,水系模様の差,線状構造の有無や密度,方向性など,空中写真上にみられる組織地形の特徴から地質の差異を判定しようとする写真地質学photogeologyは,組織地形に注目した分野である。以下に組織地形の若干の例を挙げよう。…

※「写真地質学」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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