出役(読み)シュツヤク

デジタル大辞泉 「出役」の意味・読み・例文・類語

しゅつ‐やく【出役】

役目のために出張すること。また、その役人
「尚政府よりも…ほか九人海岸見分けんぶんとして―あり」〈条野有人・近世紀聞〉
江戸時代本役を持っている者が臨時に他の役を兼ねること。また、その役。

で‐やく【出役】

江戸幕府職制で、本職を持つ者が、臨時に他の職を兼ね勤めること。しゅつやく。

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精選版 日本国語大辞典 「出役」の意味・読み・例文・類語

しゅつ‐やく【出役】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( ━する ) 江戸時代、本役のほかに、臨時に他の職務を兼ねること。また、その役人。
    1. [初出の実例]「浅草御蔵奉行之儀、大御番より之出役」(出典:御触書天保集成‐七四・天明八年(1788)一二月)
  3. ( ━する ) 役目のために出張すること。また、その役人。
    1. [初出の実例]「一江戸より陣屋迄出役支度金、元〆は金弐両弐分」(出典:地方弁要(1822頃)一)
  4. ( ━する ) 役目上の会議に出席すること。また、その人。出座。
    1. [初出の実例]「臨時御寄合は、出役人数立合御寄合之通に有候処」(出典:評定所書留‐三・天保一一年(1840)九月一三日(古事類苑・法律五八))
  5. 関東取締出役(でやく)略称。出役のうち、特に有名であったため、しばしばこの略称が用いられた。
    1. [初出の実例]「一 出役のもの廻村先にて盗賊召捕」(出典:地方落穂集追加(1843‐45頃)五)

で‐やく【出役】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 江戸時代、本役を持つものが、そのままで、臨時に他の職務に服すること。また、その役人。しゅつやく。広く、本業以外の公的な役回り役職などのことをもいう。
    1. [初出の実例]「出役(デヤク)に出る度には〈略〉吝(しみ)ったれな真似するなよ」(出典:落語お若伊之助(1897)〈三代目春風亭柳枝〉)
  3. 職務上の出張。出張勤務。また、その役人。しゅつやく。
  4. 会議に出席すること。また、その人。出座。しゅつやく。
  5. かんとうとりしまりでやく(関東取締出役)」の略称。のうち、特に重要であったため用いられた略称。しゅつやく。

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