出版学(読み)しゅっぱんがく

改訂新版 世界大百科事典 「出版学」の意味・わかりやすい解説

出版学 (しゅっぱんがく)

社会的,文化的現象としての出版を科学的に研究,調査することをめざす学問コミュニケーションの学として新聞学に類似性をもつが,必ずしもマス・メディアとしての出版だけが対象ではない。出版に関する研究としては従来,書誌学,書物学図書館学,読書学,印刷学などがあるが,それらを総合し,隣接諸科学の協力を得ながら,出版の機能過程,効果などについて,史的および現実的視点から解明しようとしている。研究対象となっているおもなメディアは,もちろん書籍,雑誌等の印刷媒体であるが,印刷以前の出版物を含む一方,コミュニケーション技術の発展により,対象領域はさらに拡大しつつある。国際的にも非常に新しい社会科学であるが,その歴史的基盤はメディア学のなかでは最も長期にわたっている。日本では1969年に日本出版学会が結成され,96年現在,正会員311名を擁している。
出版
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

図書館情報学用語辞典 第5版 「出版学」の解説

出版学

出版領域における諸事象を研究対象とする学問.出版の機能,環境,過程などについて,歴史的,社会科学的,技術論的,人文科学的,法学的視点からの解明が試みられている.マスメディア論の一部とも考えられるが,出版活動に密着した実学性質が強く,独立した一領域をなしている.

出典 図書館情報学用語辞典 第4版図書館情報学用語辞典 第5版について 情報

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