出雲伊波比神社(読み)いずもいわいじんじや

日本歴史地名大系 「出雲伊波比神社」の解説

出雲伊波比神社
いずもいわいじんじや

[現在地名]毛呂山町岩井

竜が横たわっているようにみえる臥龍がりゆう山とよばれる小高い丘の上に鎮座。旧郷社。祭神は大名牟遅命・天穂日命など。中世近世には毛呂明神飛来ひらい明神と称していたが、幕末になって出雲伊波比神社と改称。草創年代は不明だが、「延喜式」神名帳の入間郡五座のうちの「出雲イツモノ伊波比神社」に比定する説がある。宝亀三年(七七二)一二月一九日の太政官符(天理図書館所蔵文書)によれば、神護景雲三年(七六九)九月の入間郡正倉四宇の火災による穀物の焼失および百姓一〇人が重病となり二人が頓死したのは、郡家北西角に鎮座する出雲伊波比神社に対し近年幣帛を献上しなかったため、同神が郡家内外の雷神を引率して火災を発生させたものと卜占されたので、天平勝宝七年(七五五)一一月二日の符に基づいて奉幣するよう神祇官に指示している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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