出雲崎代官所跡(読み)いずもざきだいかんしよあと

日本歴史地名大系 「出雲崎代官所跡」の解説

出雲崎代官所跡
いずもざきだいかんしよあと

[現在地名]出雲崎町尼瀬 諏訪本町

尼瀬あまぜ南端の丘上に代官所跡の石碑が建ち、周囲の老松がわずかに往時をしのばせる。当地上杉景勝の時代に寺泊てらどまり(現寺泊町)・新潟とともに直轄領とされ、豊臣秀吉の全国統一策のもとで越後から兵糧米などを搬出する海港として重視されており、御館の乱後の天正八年(一五八〇)・九年、小木おぎ城将板屋修理亮や泉沢久秀が代官を命じられている(天正八年閏三月一四日・同九年九月一七日「上杉景勝朱印状」越佐史料稿本)。慶長三年(一五九八)上杉景勝会津移封後に春日山かすがやま(現上越市)に入った堀秀治も、当地の京屋与右衛門に対して領内沿岸の塩浜奉行を命じて(慶長一一年「覚」野口家文書)、塩専売による財源確保の体制を固めるなどしている。慶長八年に佐渡奉行に任命された大久保長安は、相川あいかわ銀山開発に積極的に着手し、陣屋も相川(現佐渡郡相川町)へ移し、運上金銀や奉行所役人の発着港として小木(現佐渡郡小木町)を整備した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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