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切落し きりおとし

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

切落し
きりおとし

江戸時代の劇場の大衆席の一つ。正徳,享保年間 (1711~36) 頃は,舞台の前端から後方の左右に通じる通路 (歩み) までの1階正面の席であった。享和年間 (1801~04) 頃には,ここに方形の仕切桝 (しきります) ができて,切落しは花道の後方脇にわずかに残り,文化年間 (04~18) 以後には消滅した。切落しの名称の由来は,両側の上等席である桟敷よりは一段と低く落ちていたからだといわれるが確証はない。切落しへは,入口の仕切場 (しきりば) で,座名の焼き印を押した切落札 (一種の切符) を買って入ったが,江戸時代中期で 132文であった。

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デジタル大辞泉の解説

きり‐おとし【切(り)落(と)し】

切り落とすこと。また、切り落としたもの。
肉や魚などを切り分ける際にできる、半端で形のそろわない部分。
江戸時代の歌舞伎劇場で、平土間の最前列の大衆席。文化年間(1804~1818)には消滅したが、下等の大衆席の意でその名が残る。追い込み場。大入り場
江戸時代の関西の劇場で、団体客(連中)のこと。土間の仕切りを取り去って入れたところからいう。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典内の切落しの言及

【土間】より

…【鈴木 充】
[劇場の土間]
 舞台前面,東西の桟敷の間の広い場所を占める観客席。正徳(1711‐16)ころからここを〈切落し(きりおとし)〉と称する追込みの大衆席として使用してきたが,1766年(明和3)7月江戸中村座で,切落しの一部に縄張りをし隣席との区分をするようになり,さらにマセという木材で区切った〈仕切枡〉に発展した。枡の広さは時代により違いがあるが,84年(天明4)の分検帳によれば4尺8寸(約1.45m)×5尺で,7人詰を原則とした。…

※「切落し」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

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