刎頸の交わり(読み)ふんけいのまじわり

故事成語を知る辞典「刎頸の交わり」の解説

刎頸の交わり

生死を共にするほどの親しい交関係のたとえ。

[使用例] 二人は刎頸の交わりがあったのに、が病床につき、再起おぼつかなし、となっても、みまいにゆかず、臨終にも訪ねなかった[山本周五郎*樅の木は残った|1954~56]

[由来] 「史記れんりんしょうじょ伝」に見えるエピソードから。紀元前三世紀、戦国時代の中国でのこと。ちょうという国で、藺相如というあまり地位の高くない人物が外交交渉で活躍し、高い地位を与えられたことがありました。しかし、歴戦の将軍、廉頗は、そのことを快く思わず、「今度、会ったら侮辱してやる」と公言してはばかりません。それを聞いた藺相如の方はというと、廉頗の姿を遠くから認めるなり、こそこそと逃げ隠れしてしまう始末。その情けない姿に取り巻きたちが不満を述べたところ、藺相如は、「自分は廉頗が怖いわけではないが、今、二人が争えば、国全体に危害を及ぼすことになるから、あえて出会うのを避けているのだ」と答えました。それを伝え聞いた廉頗は、いばらを背負った罪人のような格好をして藺相如のところへ出向いて、謝罪をしました。藺相如もそれに感激して、二人は「刎頸の交わり(相手のためには、たとえ自分の首が切られても悔いはないというほどの深い交際)」を結んだということです。

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日本大百科全書(ニッポニカ)「刎頸の交わり」の解説

刎頸の交わり
ふんけいのまじわり

頸(くび)を刎(は)ねられても悔いない親密な交友という意で、生死をともにする親しい間柄をいう。中国、戦国時代の趙(ちょう)の武将廉頗(れんぱ)は、藺相如(りんしょうじょ)が秦(しん)との外交交渉に成功を収めて帰国し、自分より上位の上卿になったのを怒って、彼を路上で辱めようとしたが、藺はこれをよく忍んで逃げ隠れ、「両虎(りょうこ)相争い国家を危うくする」と語った。のちにこれを伝え聞いた廉は大いに恥じ、藺の門に至って謝罪し、「卒(つい)に相与(あいとも)に驩(かん)して、刎頸の交をなす」と伝える『史記』「廉頗藺相如伝」の故事による。

[田所義行]

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精選版 日本国語大辞典「刎頸の交わり」の解説

ふんけい【刎頸】 の 交(まじ)わり

たとえ首を斬られても悔いないほどの深い友情で結ばれた交際。生死をともにする親しい交わり。刎頸。
※漢書列伝竺桃抄(1458‐60)張陳第二「刎頸交とはに刎頸ともかへりみまいぞ」 〔史記‐廉頗藺相如伝〕

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デジタル大辞泉「刎頸の交わり」の解説

ふんけい‐の‐まじわり〔‐まじはり〕【××頸の交わり】

《「史記藺相如伝から》その友のためなら、たとえ首を切られても悔いないくらいの親しい交際。

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