前川内村(読み)まえかわちむら

日本歴史地名大系 「前川内村」の解説

前川内村
まえかわちむら

[現在地名]都城庄内町しようないちよう菓子野町かしのちよう関之尾町せきのおちよう

野々美谷ののみたに村の西にある。村域は東西に広く南を庄内川が東へ流れる。西部一帯は霧島山麓、中央から東は都城盆地北西部にあたる平地。庄内川と並行している道はかつては安永やすなが城と都城に通じる連絡路であったという。近世初頭までは安永のうちで、慶長(一五九六―一六一五)末年頃分村したらしい。五口六外城のうち安永郷に属した。慶長二〇年の知行目録(都城島津家文書)では「庄内 前河内村」とみえ、内高二千五三八石余。元和六年(一六二〇)の知行目録(同文書)では高二千九三石余、明暦元年(一六五五)の知行目録(同文書)では高一千九五九石余、うち七四石余は承応三年(一六五四)竿入新仕明并畠田ニ成増籠分の高である。「三州御治世要覧」では内高一千七六〇石余。「庄内地理志」によると前河内村は北前河内村と南前河内村とに分れていた。文禄検地の際前河内村から今平いまでら村を分村し、同村がのちに南前河内村となったという。今平村は幕府提出の郷帳類にみえるが、鹿児島藩の資料類に村名としてみえないので、前述の内高はいずれも今平村を含んだものであろう。表高は、寛文四年(一六六四)の諸県郡村高辻帳、天保郷帳ではいずれも九〇六石余。なお寛政一二年(一八〇〇)書写の諸郷村附並浦附(鹿児島県立図書館蔵)および薩隅日琉諸郷便覧(同館蔵)には、南方村北方村がみえている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android