都城市(読み)ミヤコノジョウシ

デジタル大辞泉 「都城市」の意味・読み・例文・類語

みやこのじょう‐し〔みやこのジヤウ‐〕【都城市】

都城

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日本歴史地名大系 「都城市」の解説

都城市
みやこのじようし

面積:三〇六・二一平方キロ(境界未定)

県の南西部に位置し、東は北諸県きたもろかた三股みまた町・高城たかじよう町、南東は日南市・串間市、南は鹿児島県曾於そお志布志しぶし町・末吉すえよし町、西は同郡財部たからべ町、北西は同県姶良あいら霧島きりしま町、小林市・西諸県郡高原たかはる町、北は北諸県郡山田やまだ町・高崎たかざき町に接する。市域は北西に高千穂峰をはじめとする霧島連山を仰ぎ、南に金御かねみ岳、南東に鰐塚わにつか山地と山々に三方を囲まれた都城盆地のほぼ中央部を占める。盆地の北西側と南側には洪積層といわれる台地や段丘が残っているが、シラスとよばれる火山灰や浮石などからなった特殊な土壌でもあり、水利の便に乏しく、畑地や原野が大部分を占める。盆地の中央から東は、北に向かって流れる大淀川に支流河川の沖水おきみず川・萩原はぎわら川・梅北うめきた川・横市よこいち川・庄内しようない川・丸谷まるたに川などが流れ込み、その周辺に広大な沖積低地が発達して水田が多い。また盆地中央部をJR日豊本線が東から南西に横断し、JR吉都線が都城駅から北西に通る。宮崎市と鹿児島市を結ぶ国道一〇号が北から南に縦断し、それに沿って市街地が形成されている。また市域の北側で国道一〇号は東西に走る宮崎市と鹿児島市を結ぶ九州縦貫自動車道宮崎線に接続してインターチェンジが設けられている。そのほかに宮崎市と鹿児島県鹿屋かのや市を結ぶ国道二六九号が北西から南西に、当市と日南市を結ぶ国道二二二号が南に、当市と小林市を結ぶ国道二二一号が北に向かって通る。

市名の由来は、この地は神代に神都高千穂宮が建てられた跡で、古来から都島みやこじま(宮古島)と称していたが、文和元年(一三五二)この地の領主であった北郷義久が城を築き、都島の都をとってその城であるということから都城と名付けたことによるとされる(三国名勝図会・都城市史)

〔原始・古代〕

旧石器時代の遺跡は都城盆地で一ヵ所発見されているが、市内では未だ確認されていない。鰐塚山地の南部山麓において、昭和一一年(一九三六)尾平野おびらの洞窟が発見され、縄文時代の遺跡として報告された。同三七年には大岩田おおいわだ町の宮尾みやお立野たての遺跡から国道二六九号の拡幅工事に際し、アカホヤ層下から器面全体に斜縄文を施した深鉢形の土器が発見された。当時の村名をとって五十市式土器として市の有形文化財に指定されている。近年、霧島山系の南東部の裾野丘陵で縄文時代早期の遺跡が数ヵ所発掘調査された。うち丸谷町の堂山南どうやまみなみ遺跡では草創期の隆帯文土器、上水流かみづる町のまつさこ遺跡では盆地初の早期中葉の炉穴(連穴土坑)が出土している。

都城市
みやこのじようし

2006年1月1日:都城市と北諸県郡高城町・山之口町・高崎町・山田町が合併
【高城町】宮崎県:北諸県郡
【山之口町】宮崎県:北諸県郡
【高崎町】宮崎県:北諸県郡
【山田町】宮崎県:北諸県郡
【都城市】宮崎県

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「都城市」の意味・わかりやすい解説

都城〔市〕
みやこのじょう

宮崎県南西部,都城盆地のほぼ全域を占め,大淀川上流域に位置する市。東は鰐塚山地,西は霧島山に接する。南部,西部は鹿児島県との県境。1924年市制。1936年沖水村,五十市村の 2村,1957年志和池村,1965年荘内町,1967年中郷村をそれぞれ編入。2006年山之口町,高城町,山田町,高崎町の 4町と合体。万寿年間(1024~28)平季基が都城盆地を中心に広大な荘園を開き,島津荘と命名。鎌倉時代初期には惟宗忠久が地頭職となって島津氏を称した。のち島津氏は本拠を鹿児島に移したが,島津氏の一族北郷義久(誼久)が天授1(1375)年都島に築城して,都城と称し発展の基礎を築いた。江戸時代は薩摩藩の支藩が置かれた。都城盆地の中心地で商業が発達。市街地は国道10号線沿いに開け,製糸,醸造,食品,家具などの工場が立地している。農村部は生産性が高く,米作のほか,ゴボウ,サトイモなどを産し,畜産も行なわれる。「霧の海」という古名があるほど霧が深いため,特にチャ(茶)の生育に適し,産地として有名。応永6(1399)年建立の興玉神社内神殿は国の重要文化財,今町一里塚は国の史跡にそれぞれ指定されている。また全国でも数少ない伝承人形浄瑠璃「山之口の文弥人形」は国の重要無形民俗文化財。西部の高千穂峰などは霧島錦江湾国立公園に,関之尾の甌穴群(国の天然記念物),サクラで知られる母智丘(もちお)を中心とした一帯は母智丘関之尾県立自然公園に,鰐塚山地はわにつか県立自然公園に属する。JR日豊本線都城駅から吉都線が分岐し,国道10号線,221号線,222号線,223号線,269号線が通じ,宮崎自動車道のインターチェンジがある。各方面へのバス路線も整備されており,県南西部の交通の拠点となっている。面積 653.36km2(境界未定)。人口 16万640(2020)。

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