前田晁(読み)まえだあきら

日本大百科全書(ニッポニカ) 「前田晁」の意味・わかりやすい解説

前田晁
まえだあきら
(1879―1961)

小説家、翻訳家。号は木城(ぼくじょう)。山梨県生まれ。早稲田(わせだ)大学英文科卒業。博文館に入って田山花袋(かたい)を助け、『文章世界』を編集。その後『読売新聞』に転じ、婦人部長、出版部長を歴任した。その間、自然主義的な小説を発表する一方チェーホフモーパッサンなどの翻訳をした。著書には小品集『途上』(1913)、随筆・小説集『鯛(たい)と黒鯛』(1959)、文壇回顧録『明治大正の文学人』(1942)などがある。

[畑 実]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「前田晁」の解説

前田晁 まえだ-あきら

1879-1961 明治-昭和時代の翻訳家,小説家。
明治12年1月15日生まれ。徳永寿美子の夫。明治39年博文館にはいり,「文章世界」を編集。のち読売新聞社,電通につとめる。自然主義的な短編小説もかいた。昭和36年9月9日死去。82歳。山梨県出身。早大卒。号は木城(ぼくじょう)。作品集に「途上」,訳書ゴンクール陥穽(かんせい)」,「チエホフ集」「キイランド集」など。

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世界大百科事典(旧版)内の前田晁の言及

【文章世界】より

…終刊後,21年1月から《新文学》と改題し続刊したが,翌22年12月終刊。この雑誌は投書雑誌《中学世界》(1898年9月~1930年5月)に寄せられる原稿が多くなったので,田山花袋が主筆になり前田晁(あきら)(木城)と,やや専門化した投書雑誌として発刊したもの。のち,《早稲田文学》や《趣味》(1906年6月~10年7月)とともに小説や評論をかかげ,自然主義文学運動のひとつの拠点となって行った。…

※「前田晁」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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