木城(読み)きじょう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「木城」の意味・わかりやすい解説

木城(町)
きじょう

宮崎県中部、児湯郡(こゆぐん)にある町。小丸川(おまるがわ)の中流部にあり、1973年(昭和48)町制施行。同町の中心、椎木(しいのき)、高城(たかじょう)から1字ずつとり木城とする。町域の大部分九州山地に含まれ、小丸川は尾鈴山(おすずやま)の西部で深い峡谷をなす。高鍋町(たかなべちょう)、西都(さいと)市と県道で結ぶ。高城は中世、戦国時代の城館所在地で、高城城跡がある。2007年(平成19)から段階的に運用を開始している小丸川発電所(2011年完成時最大出力120万キロワット)など、小丸川の豊富な水量を利用した4発電所がある。石河内(いしがわち)には1918年(大正7)武者小路実篤(むしゃのこうじさねあつ)が「新しき村」(日向新しき村(ひゅうがあたらしきむら))を開いたが、1938年(昭和13)ダム建設でその水田の大半が水没した。石河内展望台に文学碑がある。面積145.96平方キロメートル、人口4895(2020)。

[横山淳一]

『『木城町史』(1991・木城町)』


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改訂新版 世界大百科事典 「木城」の意味・わかりやすい解説

木城[町] (きじょう)

宮崎県中部,児湯(こゆ)郡の町。1973年町制。人口5177(2010)。小丸川中流域に位置し,川沿いに耕地が開かれ,集落が点在する。1918年石河内地区に武者小路実篤によって新しき村が開かれたことで知られる。ダム建設によって村の大部分が水没したが,今も訪れる人が少なくない。町の南東部に中心地高城があり,古くから交通の要地となっている。主として農林業が営まれ,畜産をはじめ,野菜,米,タバコなどを産する。オニバス自生で知られる岩淵大池をはじめ,川原自然公園,祇園滝,高城跡などの名所がある。
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百科事典マイペディア 「木城」の意味・わかりやすい解説

木城[町]【きじょう】

宮崎県中部,児湯(にゆ)郡の町。西都(さいと)市の北東隣にあって小丸(おまる)川に沿う農山村。山林原野が町域の80%を占める。1918年武者小路実篤が建設した〈新しき村〉の所在地。145.96km2。5177人(2010)。

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