前立物(読み)マエダテモノ

デジタル大辞泉 「前立物」の意味・読み・例文・類語

まえだて‐もの〔まへだて‐〕【前立物】

かぶと前部につける立物たてものの一。鍬形くわがた・半月・天衝てんつき高角たかづのなど。前立。

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精選版 日本国語大辞典 「前立物」の意味・読み・例文・類語

まえだて‐ものまへだて‥【前立物】

  1. 〘 名詞 〙 兜の立物(たてもの)一種。兜の前部、目庇(まびさし)の上につける飾りもの。鍬形・半月・日輪月輪・牛角・鹿角などの種類がある。まいだてもの。まえだて。
    1. [初出の実例]「みつまきをよくして、甲の前立物(まえタテもの)をみて」(出典甲陽軍鑑(17C初)品二八)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「前立物」の意味・わかりやすい解説

前立物
まえだてもの

兜の鉢を装飾する立物の一種。兜の眉庇 (まびさし) の正面中央に鍍金の鍬形台を打って立物を差すが,そのおもなものは鍬形で,室町時代以降,剣形,あるいは竜頭,獅子頭,しょうぶ,稲穂,かしわ葉,日,月,家紋など,各種の形象前立物が出現した。なお室町時代末期からは兜の両側に角元 (つのもと) をつけ,鹿角,牛角,天衝 (てんつき) ,火炎などの脇立 (わきだて) を立てた。

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