獅子頭(読み)シシガシラ

デジタル大辞泉の解説

しし‐がしら【×獅子頭】

獅子舞に使用する、木製の獅子の頭部をかたどったもの。広義には猪(いのしし)・鹿(しか)をかたどったものも含む。 新年》
金魚の品種で、頭に肉こぶがあるもの。オランダシシガシラランチュウなど。 夏》
シシガシラ科の常緑多年生のシダ。林下に生える。羽状の切れ込みのある葉が束生し、若い栄養葉は赤みを帯びる。胞子葉は柄が長い。むかでぐさ。
1を小さく作った玩具。

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百科事典マイペディアの解説

獅子頭【ししがしら】

獅子舞(ししまい)に用いる木製の獅子の頭部。頭から幕をたれ,人が中に入って肢体を作る。正倉院伎楽の獅子8個が現存最古。伎楽系の唐(から)獅子はおもに二人立の獅子舞に用い,おもに一人立の鹿踊(ししおどり)はイノシシ,シカ,竜頭を用い枝角がある。郷土玩具(がんぐ)にも伎楽系の獅子を小さく模した張子や土製のものがあり,酒田市,金沢市,鴻巣市のものは有名。
→関連項目獅子

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世界大百科事典 第2版の解説

ししがしら【獅子頭】

古くは〈師子〉と書くことが多く,伎楽面行道面の一種と考えられる。獅子は本来的には中国で成立した破邪霊獣で,その起源が,より西方の猛獣であることはいうまでもない。獅子はやがて社殿を守護する獅子狛犬(狛犬)の彫刻ともなり,一方で楽舞用の伎頭となったのである。伎頭としての師子は多く木製で,現存最古例は正倉院の伎楽面中に見ることができる。眼をいからし,耳を立て,鼻孔を開いたすさまじい表情で,一材の頭部に別製の下顎と舌,耳を取り付け,それぞれが動くように工夫されている。

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大辞林 第三版の解説

ししがしら【獅子頭】

獅子の頭の形に似せて作った木製の仮面。獅子舞に使う。しし。
金魚の一品種。頭部に多くのいぼがあり、冠をかぶったように見える。背びれはない。
ウラボシ科の常緑性シダ植物。葉は倒披針形の羽状葉で獅子のたてがみ状に多数根生。胞子葉は栄養葉より細長い。百足草むかでぐさ。鰯骨いわしぼね。オサバ。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

獅子頭
ししがしら

獅子の頭に模した作り物で、祭礼のお練りや芸能に用いられる。概して木製で、赤・金・黒の漆塗りが多い。6世紀なかばに伎楽(ぎがく)とともに大陸から渡来したらしく、正倉院には大仏開眼供養(752)に用いられたものが残る。古来より除魔の聖獣とされた獅子の擬装擬態のために多くの獅子頭がつくられてきた。太神楽(だいかぐら)のものは正倉院のと大差なく雄獅子型で、東北地方では権現(ごんげん)とよび、型がやや異なる。太鼓踊式の三匹獅子舞のは小ぶりで、竜頭(たつがしら)もある。鹿踊(ししおどり)用のものは独特な権現頭に鹿(しか)の角(つの)がつく。能の『石橋(しゃっきょう)』は獅子口(ししぐち)の面、舞踊の『鏡獅子(かがみじし)』は毛頭のみで、能『望月(もちづき)』や舞踊『執着獅子(しゅうじゃくじし)』では扇2本を重ねた扇獅子をかぶる。ほかに手に持つ手獅子がある。[西角井正大]

玩具

神楽や、祭礼行事などに登場する獅子舞の、獅子の頭を小さくつくった郷土玩具(がんぐ)。唐獅子(からじし)形式のものを主とし、竜頭(たつがしら)や鹿(しか)に近い形式のものもある。獅子は悪疫災禍を退散させる霊獣として、さらに雨乞(あまご)いや正月の門付にまで用いられ、子供たちにも親しまれて、これを小さく玩具化したものが江戸時代につくられた。1773年(安永2)刊の玩具絵本『江都二色(えどにしき)』には、弓獅子、お獅子ぱくぱくの2種が当時の流行玩具として掲載されている。弓獅子は、現在の埼玉県鴻巣(こうのす)市の産物と同工である。全国各地に、それぞれの郷土芸能を反映した木、土、練り物製などの各種の獅子頭が生まれた。木製では山形県酒田市、石川県金沢市(白木作り)、張り子製では香川県高松市、熊本県宇土市、練り物製は鴻巣の獅子頭が代表的なものである。[斎藤良輔]

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精選版 日本国語大辞典の解説

しし‐がしら【獅子頭】

〘名〙
① 獅子の頭。
(イ) 獅子舞に用いる、木製の獅子の頭。獅子。
※大観本謡曲・望月(1586頃)「折こそよしとて脱ぎ置く獅子頭、又は八撥(やつばち)を、打てや打てと」
(ロ) 神社で、狛犬(こまいぬ)と対にして置かれている獅子の頭。
※俳諧・曠野(1689)八「古宮や雪しるかかる獅子頭〈釣雪〉」
② =ししまい(獅子舞)・新年》
※増鏡(1368‐76頃)一一「舞楽、田楽、ししがしら、流鏑馬(やぶさめ)など、さまざま所にしつけたる事どもおもしろし」
※浄瑠璃・仮名手本忠臣蔵(1748)一「名にしおふ、鎌倉山の星兜、とっぱい頭(がしら)しし頭」
④ 大棟の両端にある鬼板・獅子口をいう。獅子置(ししおき)
※匠明(1608‐10)門記集「獅子頭成は柱と同し。上は弐分高配に〆、幅は成のべにすへし。下は弐分はちかりにすへし。上かど棟ともゑ三つ〆、中にたすき弐つ。脇にもすへし」
⑤ 金魚の頭部にできた肉質のこぶの称。獅子の面をつけたようにみえる。主にランチュウにみられるので、ランチュウそのものの異名ともなる。また、ランチュウ以外でもこのようなこぶの生ずる品種があり、オランダシシガシラ、アズマニシキなどはその例。
※さい果て(1964‐71)〈津村節子〉四「蘭鋳の稚魚は〈略〉もし色づいてきて獅子がしらとよばれる肉瘤が盛り上ってくるようになったら」
シダウラボシ科の常緑多年草。各地の山地の林の下などに生える。葉は多数叢生し、二型葉で栄養葉と胞子葉からなる。若葉は淡紅色を帯び、その基部には褐色の線形の鱗片が密生する。栄養葉は長さ三〇~四〇センチメートル、幅四~六センチメートルの倒披針形で、多数の線形の羽片に分かれる一回羽状複葉。胞子葉は柄が長く直立し、羽片は栄養葉より小さく、ややまばらにつき、裏面に胞子嚢群を生じる。むかでぐさ。やぶそてつ。いわしぼね。おさば。〔日本植物名彙(1884)〕
⑦ ツバキの園芸品種。花は八重咲きで、小~中輪。花色は桃色、葉は小形でやや薄い。樹勢は弱く切花用に使われる。
⑧ 郷土玩具の一つ。獅子舞に用いる獅子頭を小さく作ったもの。

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世界大百科事典内の獅子頭の言及

【行道面】より

…その種類や数は法要の形式や時代によって異なるが,この仮装に用いる仮面を総称して行道面という。法要の形式が最も整った11~12世紀には,諸仏諸堂の落慶(らつけい)供養会や諸寺の舎利会,来迎(らいごう)会(迎講(むかえこう))などに,師子(しし)(獅子頭),師子子(ししこ)(蠅払),(くちとり)(口取,綱引),八部衆(輿舁(こしかき)),十二天,二十八部衆,菩薩,天童などの種類の面が用いられた。現在も行われる奈良法隆寺や大阪四天王寺の聖霊会には師子,師子子,の一群と八部衆が出,奈良当麻寺や東京浄真寺の来迎会には25の菩薩の面が用いられる。…

【権現】より

…日光山・久能山・江戸上野等につくられた東照宮の神殿はいずれも拝殿と本殿を石間(いしのま)または相間(あいのま)で連ねた形式をとり,これを権現造と称するが,実はすでに豊国神社にもみられ北野神社も1607年(慶長12)同様式で建てられた。今日民俗芸能としてしられる東北地方の山伏神楽や番楽では獅子頭を権現様と呼び神とあがめ,年末年始にこれを奉じて家々を訪ね,悪魔払い,火伏祈禱を行う風習がある。【村山 修一】。…

【獅子舞】より

獅子頭(ししがしら)(おもに木彫)をかぶって舞い,踊る民俗芸能。日本の芸能の中でもっとも古い歴史をもち,また様式や芸態の変化の少ないものである。…

※「獅子頭」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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