改訂新版 世界大百科事典 「北ドビナ川」の意味・わかりやすい解説
北ドビナ[川] (きたドビナ)
Severnaya Dvina
ロシア連邦北西部の川。ヨーロッパ・ロシアの北部を北流してドビナ湾(白海,北極海に開く)に注ぐ。長さ744km,流域面積35万7000km2。水源は北ロシア低地のセベルニエ・ウバリ丘陵の標高約250m地点。ここからユグ川が北流し,左岸にスホナ川を合わせて北ドビナ川本流となり,北ロシア低地を北流してコトラス市で右岸からビチェグダ川を合わせ,下流では多くの分流に分かれ,アルハンゲリスク市で再び1本の本流となる。しかしまもなく三角州(面積900km2)に達して再び多くの分流に分かれて海に注ぐ。河水の主要涵養源は融雪水である。平均流量はスホナ,ユグ合流点で770m3/s,アルハンゲリスク市で3490m3/s。10月末から4月初旬~5月初旬まで結氷する。スホナ川~ボルガ川間などに運河が設けられ,水運に利用される。積荷は木材が多い。おもな港はベリキー・ウスチュク,コトラス,アルハンゲリスクである。
執筆者:渡辺 一夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報