日本大百科全書(ニッポニカ) 「アルハンゲリスク」の意味・わかりやすい解説
アルハンゲリスク
あるはんげりすく
Архангельск/Arhangel'sk
ロシア連邦北西部、アルハンゲリスク州の州都。人口36万6200(1999)。港湾都市で、白海のドビナ湾奥、北ドビナ川岸と河口デルタの諸島に市街地が形成されている。ロシアの製材業と木材輸出の大中心地で、ソロンバルスク紙・パルプコンビナートなどの木材加工業や木材化学工業に多数の労働者が従事している。そのほか、造船(貨物船、漁船)、船舶修理、木材加工業に関連する機械製作、食品(水産加工、食肉)工業、建材工業が発展している。市は1584年、西方進出の拠点として開かれたロシア最初の海港で、イギリスその他の西欧諸国と交易が行われた。1703年にサンクト・ペテルブルグが建設されて主導的役割はなくなったが、鉄道開通後ふたたび発展し、19世紀末から20世紀の初めにはロシアの木材工業、木材輸出の大中心地となった。北洋航路(1932年開発)、漁業の中心でもある。木工、医科、教育の各大学、航海専門学校、民家博物館、造形美術館などの教育・文化施設がある。
[中村泰三・小俣利男]