アルハンゲリスク(その他表記)Arkhangeľsk

デジタル大辞泉 「アルハンゲリスク」の意味・読み・例文・類語

アルハンゲリスク(Arkhangel'sk/Архангельск)

ロシア連邦北西部、アルハンゲリスク州都市。同州の州都白海ドビナ湾奥、ドビナ河口に臨む港湾都市。1584年に開かれたロシア最初の海港として知られる。木材の加工・輸出が盛ん。

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改訂新版 世界大百科事典 「アルハンゲリスク」の意味・わかりやすい解説

アルハンゲリスク
Arkhangeľsk

ロシア連邦,ヨーロッパ・ロシアの北西部,同名州の州都。人口35万2000(2002)。白海に注ぐ北ドビナ川河口から45km上流に位置するロシア最初の海港,ロシア最大の木材輸出港で,北極海航路の西ターミナル。1613年までノボホルモゴールイNovokhormogory。イワン4世により,1584年ミハイル・アルハンゲリスキー修道院が創建されたことにはじまり,17世紀末,ピョートル1世によって造船所,海軍工厰ができた。18世紀初頭にペテルブルグがひらかれるまで,西欧世界と結ぶロシアの主要港であった。ナポレオンによる1807-11年の〈大陸封鎖〉時には一層重要性を増した。98年モスクワとの間に鉄道が開通,林業と木材輸出の中心となった。帝政時代は政治犯の流刑地としても有名。十月革命に際し,N.V.チャイコフスキーを指導者とする反革命臨時政府が形成されるとともに,1918年8月,イギリス,アメリカ等の革命干渉軍が占拠した。第2次大戦中は連合国側の物資揚陸地となる。M.V.ロモノーソフが近村で生まれている。市の南方25kmに16~20世紀の木造建築を集めたアルハンゲリスク木造建築博物館がある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アルハンゲリスク」の意味・わかりやすい解説

アルハンゲリスク
あるはんげりすく
Архангельск/Arhangel'sk

ロシア連邦北西部、アルハンゲリスク州の州都。人口36万6200(1999)。港湾都市で、白海のドビナ湾奥、北ドビナ川岸と河口デルタの諸島に市街地が形成されている。ロシアの製材業と木材輸出の大中心地で、ソロンバルスク紙・パルプコンビナートなどの木材加工業や木材化学工業に多数の労働者が従事している。そのほか、造船(貨物船、漁船)、船舶修理、木材加工業に関連する機械製作、食品(水産加工、食肉)工業、建材工業が発展している。市は1584年、西方進出の拠点として開かれたロシア最初の海港で、イギリスその他の西欧諸国と交易が行われた。1703年にサンクト・ペテルブルグが建設されて主導的役割はなくなったが、鉄道開通後ふたたび発展し、19世紀末から20世紀の初めにはロシアの木材工業、木材輸出の大中心地となった。北洋航路(1932年開発)、漁業の中心でもある。木工、医科、教育の各大学、航海専門学校、民家博物館、造形美術館などの教育・文化施設がある。

[中村泰三・小俣利男]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アルハンゲリスク」の意味・わかりやすい解説

アルハンゲリスク
Arkhangel'sk

ロシア北西部,アルハンゲリスク州の州都。白海のドビナ湾の湾奥に位置する港湾都市で,市街は北ドビナ川右岸と河口三角州の島にまたがっている。 1584年大天使 (アルハンゲル) ミハイルの修道院が建てられたことに始り,1703年サンクトペテルブルグが建設されるまでロシア第1の海港であった。その後衰退したが,19世紀末に鉄道でモスクワと結ばれて再び発展。第2次世界大戦中は連合軍の軍需物資のソ連への陸揚げ港であったため,ドイツ軍の猛爆撃を受け,市街は著しく破壊された。現在,ロシア有数の貿易港で,冬季凍結するが氷が薄く,砕氷船によって船舶の出入りが可能である。北極海海洋調査基地,漁業基地としても重要。木材加工,製紙を中心に造船,船舶修理,建設資材,食品 (食肉,水産加工,油脂) ,海獣解体などの産業がある。木材加工,医学,航海,商船,水産,教育などの大学,郷土博物館,造形美術館,劇場などの教育・文化施設をもつ。国際空港がある。人口 34万8716(2010)。

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百科事典マイペディア 「アルハンゲリスク」の意味・わかりやすい解説

アルハンゲリスク

ロシア北部,北ドビナ川の河口から40km,白海に臨む港湾都市。同名州の州都。旧称ノボ・ホルモゴル,1613年現名に改称。鉄道の終点で木材の集散地として知られるほか,製材,製紙,皮革加工などが行われる。1584年建設,17世紀末,大造船所が開かれて以来,北極海航路の拠点。18世紀のペテルブルグ開港までは,ロシアと西欧世界を結ぶ唯一の港だった。34万8352人(2009)。

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