北漢山(読み)ほくかんざん(英語表記)Pukhan-san

改訂新版 世界大百科事典 「北漢山」の意味・わかりやすい解説

北漢山 (ほくかんざん)
Pukhan-san

韓国,ソウル市内の北部にある山。標高836m。ソウル盆地をとり囲んでいる山脈中の主峰であり,屹立する岩肌山頂が市街地からまのあたりに望まれ,市の南部にある南山(265m)とともにソウルの象徴的存在とされている。白雲台,仁寿峰等岩場での岩登り四方から山頂へ至るハイキングコース,山麓には祥雲寺,僧加寺等の寺院,プールや遊園地が散在し,ソウル市民のかっこうの行楽地として親しまれている。東麓中間部には,1711年に築かれた北漢山城があり,李朝時代から首都ソウルの北辺の守りであった。北漢山と尾根づたいに連なる道峰山(717m),望月寺一帯を合わせて北漢山国立公園に指定されている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「北漢山」の意味・わかりやすい解説

北漢山
ほくかんさん / プクハンサン

韓国(大韓民国)、京畿道(けいきどう)高陽市に位置する北岳山系の主峰。ソウル盆地の北壁を形づくる。標高836メートル。北東に白雲台、万寿峰、仁寿峰など800メートル級の峰が3個あることから三角山ともよばれる。おもに花崗(かこう)岩からなり山容は秀麗ながら険しい。新羅(しらぎ)王朝真興王(しんこうおう)が視察した遺跡である巡狩碑が有名である。山中には太古寺、僧加寺をはじめ文殊庵(あん)、元暁(がんぎょう)庵、禅雲(ぜんうん)寺、挟旺(きょうおう)寺、津寛(しんかん)寺などの寺が散在している。

[森 聖雨]

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百科事典マイペディア 「北漢山」の意味・わかりやすい解説

北漢山【ほくかんさん】

韓国,ソウル市の北方にある山。標高836m。ソウル盆地をとり囲む山々の主峰で,屹立する花コウ岩の山峰は市内から望める。山麓には祥雲寺,僧加寺など寺院も多く,山頂へのハイキングコースもある。東麓中間部には北漢山城が修復されており,尾根伝いにつらなる道峰山とともに北漢山国立公園に指定されている。なお,ソウル市東南部,城南市との境には南漢山城(道立公園)がある。
→関連項目ソウル

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