北魚沼郡(読み)きたうおぬまぐん

日本歴史地名大系 「北魚沼郡」の解説

北魚沼郡
きたうおぬまぐん

面積:九八九・三八平方キロ
湯之谷ゆのたに村・入広瀬いりひろせ村・広神ひろかみ村・守門すもん村・小出こいで町・堀之内ほりのうち町・川口かわぐち

東は只見ただみ川および毛猛けもう山・六十里越ろくじゆうりごえ浅草あさくさ岳・八十里越はちじゆうりごえなど一五〇〇メートル級の山とその鞍部の峠で福島県南会津郡檜枝岐ひのえまた村・同郡只見町、北は守門岳おお岳および西に低く延びる稜線で南蒲原みなみかんばら下田しただ村・栃尾市、西は古志こし山古志やまこし村・小千谷おぢや市・十日町市、南は南魚沼郡大和やまと町・同郡六日むいか町・群馬県利根とね水上みなかみ町・同郡片品かたしな村。南・東の群馬県境・福島県境の山々を源とする羽根はね川・黒又くろまた川や守門岳を源とする守門川は、いずれも郡西部をほぼ南流する破間あぶるま川へ注ぐ。破間川は小出町の四日よつか町で魚野うおの川に合流。魚野川はこれより北西流して川口町川口で北流してきた信濃川に注ぐ。破間川・魚野川・信濃川両岸の集落地以外はほとんどが山地をなし、かつ豪雪地帯である。道は信濃川・魚野川沿いに三国街道(現国道一七号)、三国街道と堀之内・小出で交差して破間川沿いに六十里越の会津道(現国道二五二号)、会津道から分岐して山古志・栃尾を経て長岡へ通じる長岡道(一部現国道二九〇号)が幹道。

〔原始・古代〕

考古遺跡の発掘例が少なく、趨勢をたどることはむずかしい。信濃川と魚野川の合流点付近の川口町荒屋あらや遺跡は細石器を主体とする先土器時代の遺跡である。堀之内町南部丘陵地の月岡つきおか遺跡も細石器を伴った先土器遺跡とされるが、縄文中期の集落跡も発掘された。魚野川右岸の堀之内町の桜又さくらまたには古墳後期の古林ふるばやし古墳群がある。「和名抄魚沼いおぬ郡四郷のうち剌ヤブかみ郷は、後世藪神やぶかみと称される地域に比定される。その範囲は大和町から北の魚野川流域とされ、小出町・堀之内町・川口町・湯之谷村広神村のうち魚野川・信濃川・破間川の三川が各々合流する地域と思われる。ただしこの地域に隣接する小千谷市域は千屋ちや郷の比定地とされるが、伝承ではここも藪神とよばれている。「延喜式」神名帳魚沼郡五座のうちの「川合カハアヒノ神社」は川口町川口に同名社がある。

〔中世〕

千屋郷については、明徳四年(一三九三)一一月二八日の上杉憲方宛室町将軍家(足利義満)安堵下文(上杉家文書)に「越後国上田庄参分一、同国千屋郡国衙職等刑部大輔入道道珎知行分」とある。おそらく藪神もこの「千屋郡国衙」の領内に含まれる地であったと思われる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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