(読み)キョウ

デジタル大辞泉 「匡」の意味・読み・例文・類語

きょう【匡】[漢字項目]

人名用漢字] [音]キョウ(キャウ)(漢) [訓]ただす
ゆがんだものを元の形のとおりに直す。正しくする。「匡正匡輔きょうほ
[名のり]たすく・ただ・ただし・まさ・まさし

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精選版 日本国語大辞典 「匡」の意味・読み・例文・類語

きょうキャウ【匡】

  1. 中国河南省北部、長垣県の西南の地。春秋時代の衛の国の邑(ゆう)で、孔子が通りかかったとき、陽虎という悪人と間違えられて迫害されたところ。

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普及版 字通 「匡」の読み・字形・画数・意味


人名用漢字 6画

(異体字)
9画

[字音] キョウ(キャウ)
[字訓] ただす・はこ

[説文解字]
[金文]

[字形] 形声
正字はに作り、(こう)声。〔説文〕十二下に「、筥(きよ)なり」というのは筐の意。竹部五上に「(きよ)、牛に飮(みづか)ふ筐なり。方を筐と曰ひ、圜(ゑん)をと曰ふ」とある筐を、匡の異文とする。匡に方の意があり、匡正・匡救の意に用いる。は王の上に(止(あし))を加える形。軍などの出行のときにあたって、聖器としての鉞(まさかり)(王はその頭部の形)に止を加え、一種の授霊の儀式をする。それを秘匿のところで行うことをという。それで軍行にあたって、〔詩、小雅、六月〕「以て王國を匡(ただ)せ」のようにいう。金文にはに従う字があり、〔麦尊〕「命に(こた)へん」のように用いる。みな征命を行う意。征伐して王命を布き明らかにすることが、字の初義であった。

[訓義]
1. ただす、ただし明らかにする。
2. すくう、たすける。
3. 筐と通じ、はこ。
4. (きよう)と通じ、おそれる。
5. と通じ、まぶち。
6. と通じ、あしなえ。

[古辞書の訓]
名義抄〕匡 タダシ・タダス・マサシ・タクマシ・ヲツ・カシコマル・ススメリ・マウス・スケ・ヤム 〔字鏡集〕匡 ヤム・タクマシ・マサシ・タダス・マウス・タダシ・タスク・スケ・ヲツ・ススメリ・ハコ・スクフ・カシコマル

[声系]
匡は声に従い、声符として王の字形をとることが多い。〔説文〕に声として(往)・枉・狂・汪・匡・・誑など十六字を収める。おおむね非常の勢いをもつこと、また測りがたい意をもつ。は鉞頭(王)に止(あし)を加えて、異常な呪力が付与されるとする呪儀。その呪力の甚だしい状態を狂という。

[語系]
匡・筐khiuang、筥・kiaは声が近い。〔説文〕に匡を筐にして、筥・の意と解したが、匡は・枉・狂系統の語。hiuang、狂giuangとその声が近い。は重要な使命を帯びて出行すること、匡は特に軍行にいう語であった。

[熟語]
匡悪・匡衛・匡益匡改匡郭匡廓匡諫匡糾・匡救匡矯匡懼・匡護・匡佐・匡坐・匡済匡賛・匡時・匡邪匡助匡牀匡拯・匡振・匡世・匡制・匡正匡勅匡飭・匡導・匡難・匡寧匡弼・匡・匡復・匡払・匡補・匡輔・匡翊・匡翼・匡励
[下接語]
一匡・靖匡・弼匡

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