千束(読み)チヅカ

デジタル大辞泉 「千束」の意味・読み・例文・類語

ち‐づか【千束】

《「ちつか」とも》千たば。多くのたば。せんぞく。
「いろいろ道ならぬ事を書きくどきて―おくりけるに」〈浮・一代男・二〉

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精選版 日本国語大辞典 「千束」の意味・読み・例文・類語

ち‐つか【千束】

〘名〙 (「ちづか」とも)
① 千たば。また、多くのたば。特に、恋文のたばについていう。また、数の多いこと。たくさん。
※詞花(1151頃)恋上・一九〇「思ひかね今日立てそむる錦木のちづかも待たで逢ふよしもがな〈大江匡房〉」
浮世草子好色一代男(1682)二「いろいろ道ならぬ事を書くどきて千束(チツカ)おくりけるに、返しもなくて」
② (「束」は四本の指でにぎった長さ) きわめて長いこと。
海道記(1223頃)竹の下より逆川「林の中をすぎて遙々ゆけば、千束の橋を独梁にさしこえて」

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「千束」の意味・わかりやすい解説

千束
せんぞく

東京都東部台東区北部の地区。地名由来はこの地の水田がイネ千束の税に相当することによる。浅草の北に位置し,東部には江戸時代から栄えた遊郭新吉原 (→吉原 ) があった。鷲神社 (おおとりじんじゃ) の「酉の市」は毎年 11月酉の日に開かれ,熊手売りの露店でにぎわう。中小企業が多い。なお大田区北西部から目黒区南部にかけての住宅地に北千束,南千束 (ともに大田区) ,洗足 (目黒区) の地名がある。

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