半ら(読み)ナカラ

デジタル大辞泉 「半ら」の意味・読み・例文・類語

なか‐ら【半ら】

まんなかのあたり。
へやの―で」〈二葉亭訳・めぐりあひ〉
半分ほどの量や大きさ。また、半分ほどの程度。なかば。
「足を砂子はぎの―ばかりふみ入れて」〈宇治拾遺・三〉
中ほどの地点時点途中
「山の―ばかりの」〈更級

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精選版 日本国語大辞典 「半ら」の意味・読み・例文・類語

なか‐ら【半ら】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「ら」は接尾語 )
  2. ほぼ半分の量や大きさ。
    1. [初出の実例]「色々の衣(きぬ)どもこぼし出でたる人の、簾(す)をおし入れて、なからいりたるやうなるも」(出典:枕草子(10C終)七六)
  3. 続いている物事真ん中。中間点。
    1. (イ) 事柄の程度、あるいは進歩の具合について、その半分ほど。なかば。
      1. [初出の実例]「おそろしかりけんけしきに、なからは死にけむ」(出典:落窪物語(10C後)一)
    2. (ロ) 一つながりのものの中ほど。真ん中。和歌、音曲の中途など。
      1. [初出の実例]「これがかへし〈略〉なからまでは遊ばしたなるを、末なんまだしきとの給ふなる」(出典:蜻蛉日記(974頃)下)
    3. (ハ) 山などの中腹。長い道のりなどの途中。
      1. [初出の実例]「山のなからばかりの、木の下のわづかなるに、葵のただ三筋ばかりあるを」(出典:更級日記(1059頃))

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