半乾燥気候(読み)はんかんそうきこう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「半乾燥気候」の意味・わかりやすい解説

半乾燥気候
はんかんそうきこう

乾燥限界の半分以上の降水量がある乾燥気候ケッペンステップ気候(BS気候)としたが、ステップ気候はときに半乾燥気候ともいう。半乾燥気候地帯は比較的降水の多いプレーリー(長草、おもに北アメリカ大陸)とステップ(短草)に区分され、前者では穀物農業に、後者では牧用地として利用される場合が多い。近年アジア、アフリカラテンアメリカなどの開発途上国では人口増加が著しく、食糧増産の必要から、半乾燥地域での家畜過放牧湿潤気候地域の大規模な焼畑耕作などにより地球全体の急速な砂漠化が進行している。微妙なバランスのなかで維持されていた半乾燥気候の生態系は、ひとたび破壊されると元に戻るまでに数百年を要する。地球的規模での半乾燥気候地域の環境破壊は重要な問題である。

[深石一夫]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「半乾燥気候」の意味・わかりやすい解説

半乾燥気候
はんかんそうきこう
semiarid climate

湿潤気候乾燥気候との中間にある気候。長い乾季と短い雨季があり,中低木がまばらにみられる草原が一般的な植生。ウラジーミル・P.ケッペン気候区分におけるステップ気候に相当する。この気候地域には黒土,プレーリー土(→ブルニゼム)が卓越し,肥沃な土壌であることから,水が得られればよい農牧業地帯として開拓される。

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