南スーダン国連平和維持活動(読み)みなみすーだんこくれんへいわいじかつどう

知恵蔵の解説

南スーダン国連平和維持活動

2011年に独立した南スーダン共和国の民主的な国家建設を支援する国連の平和維持活動(PKO)。国連は加盟を承認した直後、国連南スーダン派遣団(UNMISS)を派遣し、加盟国にはPKO部隊の派遣を要請した。日本政府(菅直人内閣)もこれを受諾。「紛争当事者間の停戦合意の成立」「中立性の厳守」などを軸とするPKO参加五原則に基づき、翌12年1月から陸上自衛隊の部隊が首都ジュバに派遣された。
部隊は政府の途上国援助(ODA)や非政府組織(NGO)と連携を取りながら、ジュバ市内の道路補修や国連施設の整備など、インフラ整備を中心とした活動を行ってきた。しかし、南スーダン政府内ではキール大統領派とマシャール副大統領派が対立。各派を支持する民族間の争いも激化し、政情不安が拡大した。16年7月にはジュバで政府軍と反政府軍が衝突し、300人近い死者を出している。国連が掲げる「紛争当事者間の同意」という国連平和維持活動の基本原則にも抵触するような状況下、安倍晋三内閣は11月、安全保障関連法に基づき、「宿営地の共同防備」と「駆けつけ警護」の任務を派遣部隊に付与することを閣議決定した。「駆けつけ警護」は、離れた場所で武装集団に襲撃された国連職員やNGO関係者らを救出することを目的とした任務である。しかし、武器使用も認めることになったため、PKO参加五原則による活動の正当性を問う声や憲法違反という批判の声も上がった。
17年3月、安倍晋三内閣は国家安全保障会議(NSC)を開き、5月末をめどに派遣部隊を撤収することを発表。治安悪化ではなく、派遣から5年が経過し一定の区切りがついたことを理由に挙げた。日本の平和維持活動としては過去最大規模のもので、派遣された自衛隊員も延べ4000人近くに及ぶ。

(大迫秀樹 フリー編集者/2017年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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