南林寺跡(読み)なんりんじあと

日本歴史地名大系 「南林寺跡」の解説

南林寺跡
なんりんじあと

[現在地名]鹿児島市松原

松原まつばら神社・松原小学校・南洲なんしゆう寺にかけての一帯に所在した寺院。鹿児島三ヵ寺の一。松原山と号し、曹洞宗本尊釈迦如来。鹿児島福昌寺末。弘治三年(一五五七)島津貴久が創建したという(島津国史)。招請開山は福昌寺五世心巌良信、実際の初代住職は得翁俊可であったという。貴久は当寺に自分の肖像を納め、菩提寺とした。元亀二年(一五七一)五八歳で没した貴久の戒名は南林寺殿大中良等庵主。一五六二年(永禄五年)当時、ルイス・デ・アルメイダ修道士と当寺の住職が親しく交際していることが知られる。当寺は大きい松林の中にある大僧院とされ、住職は忍室の最初の門弟であった(フロイス「日本史」)。「上井覚兼日記」天正二年(一五七四)閏一一月一五日条などに「南林寺道場」などとみえる。同五年二月吉日の島津氏老臣連署坪付(旧記雑録)によれば、下大隅野里のざと(現鹿屋市)のうち一町七段余が寄進されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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